社会人になれば、上司と食事に行く機会もあるでしょう。そんなとき、決まって聞かれるのが「何か食べたいものある?」という質問。「何でもいいです」が正解なのか、素直に食べたいものを言った方が良いのか。部下としては、どう答えるべきか迷いますよね。社会人の皆さんは、一体どのように回答しているのでしょうか。

Q.上司と食事に行くとき、「何か食べたいものある?」と聞かれたら、どのように回答しますか?
A.相手によって回答を変える......154人(30.8%)
 食べたいものを言う......131人(26.2%)
 「何でも良い」と答える......117人(23.4%)
 相手に何が食べたいか聞く......79人(15.8%)
 その他......19人(3.8%)

もっとも多かった回答は、「相手によって回答を変える」で、全体の約3割。次に多かったのが「食べたいものを言う」という結果になりました。それぞれの回答理由を詳しく見てみましょう。

まずは、「相手によって回答を変える」と回答した先輩たちの意見から。相手によってどう返事を変えるのかが気になるところです。

■上司のキャラで判断
・「気心が知れている上司には素直に言うが、親しくない場合は相手の意向をさりげなく聞き返す」(女性/28歳/機械・精密機器)
・「連れて行きたいお店がある人と、リクエストに答えるのが好きな人がいるから」(女性/30歳/機械・精密機器)
・「口うるさい部長のときは、お任せする。それ以外の先輩のときは、好きなメニューを注文する」(男性/35歳/機械・精密機器)

その上司がどんな人か、自分との関係性はどうか。そこをよく見極めて返答するという人が目立ちました。

■上司の事情を考える
・「食べることが好きそうな人なら、要望がありそうだから」(男性/38歳/人材派遣・人材紹介)
・「相手の好きなものをそれとなく察する」(女性/29歳/生保・損保)
・「上司によって違い、お金のある上司には甘えまくり、本当に食べたい高いものを言うが、お金のない上司には相手に聞いたりする」(女性/32歳/医療・福祉)

「小遣いが減ったよ」なんて聞いたら、高いものを頼むのはためらいますよね。上司の事情を察することも、部下としてのマナー?

続いては、素直に「食べたいものを言う」という人たちの回答理由です。

■自分のためにも、相手のためにも
・「はっきり言った方が、物怖じしない感じで印象が良いと思うので」(男性/32歳/機械・精密機器)
・「何でもいいというのは感じが悪いから」(女性/25歳/アパレル・繊維)
・「苦手なものに連れて行かれたときに、対応に困るから」(女性/32歳/食品・飲料)
・「相手に考えさせる手間を省く」(男性/25歳/団体・公益法人・官公庁)

若い人がどんな店を好むのか、サッパリわからないという上司も多いことでしょう。そういった場合は、部下からきちんと要望を伝えることも思いやりかもしれません。

次は、「何でも良い」と答える先輩たちの意見です。

■上司に委ねるのが得策
・「何でも良いと言うといい加減な感じがするので、『お任せします』と言う」(女性/31歳/ソフトウェア)
・「自分の発言で決まってしまうのは、悪いと思う」(女性/20歳/自動車関連)
・「面倒なので、適当」(男性/41歳/電機)

意味合いは同じですが、「お任せします」と言った方が、たしかに印象が良いかもしれませんね。

さらに、中には「相手に何が食べたいか聞く」という先輩たちも。なぜ、このように回答するのでしょうか?

■とりあえず、相手の希望を確認
・「ひとまず上司に聞き返し、もう一度こちらに聞かれたら、何かしら答える」(女性/31歳/食品・飲料)
・「決めてしまうと図々しく感じてしまうのと、何でもいいと言うと楽しくないのかと思われてしまいそうなので」(男性/31歳/団体・公益法人・官公庁)

まずは、上司の希望を確認する。これも良い方法ですね。そして、上司が「キミの食べたいものにしよう」と言ってくれたら、その時点で自分の希望を伝えるのもアリ。

■先輩たちの処世術
・「食べられないものを先に言う。生ものが苦手なので、刺身などがメインのお店だとつらい」(女性/37歳/小売店)
・「近くに何があるか確認する」(男性/29歳/金属・鉄鋼・化学)
・「安そうなものを言う。上司に奢ってもらう場合、高いものを言うと遠慮のないやつだと思われそうだから。その点安い物を言っておきうまそうに食べれば、本当にそれを食べたかったんだなと思ってくれる」(男性/30歳/機械・精密機器)

ほかにも、自分の好みを伝えたり、状況によって判断したりしている先輩も。先に紹介した回答例の中でピンと来るものがなかった人は、こちらの言い方を真似してみてはいかがでしょうか?

上司とはできるだけ良い関係を築きたいもの。しかし、ちょっとした受け答え一つで、関係にヒビが入ってしまうこともあります。「何か食べたいものある?」という何気ない質問ではありますが、部下としての資質が問われる場面かもしれません。

文・OFFICE-SANGA 森川ほしの

調査時期:2014年8月
アンケート:フレッシャーズ調べ
集計対象数:社会人500人(インターネットログイン式アンケート)

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