福山雅治主演の日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系) の第1話4月23日に放送された。25分拡大で描かれた福山×大泉洋のバディ誕生。タイトルがTwitterの国内&世界トレンド1位となる反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】永瀬廉“泉”ら警視庁捜査一課・佐久良班の面々

■全盲のFBI捜査官と孤高の刑事による痛快バディドラマが開幕

同ドラマは、全盲の人たらしFBI(米連邦捜査局)捜査官・皆実広見(福山)と、犯人逮捕のためには手段を選ばない孤高の刑事・護道心太朗(大泉)がバディを組み、難事件に挑む。1話完結の完全オリジナルストーリーとなる。

心太朗の甥で正義感が強い捜査一課の警部・護道泉を永瀬廉(King & Prince)、捜査分析センターの分析官・吾妻ゆうき今田美桜、捜査一課で検挙数トップのチームを率い、心太朗とは犬猿の仲である佐久良円花を吉田羊、心太朗の兄で泉の父親である護道京吾を上川隆也、心太朗と京吾の父で由緒正しい警察官僚の家系を守ってきた護道清二を寺尾聰が演じる。

■皆実が早々に犯人逮捕の宣言!

どんな難事件も必ず最後に解決させることから“ラストマン”と呼ばれる皆実は、日本の警察庁FBIの連携強化を目的に期間限定で日本へ。警視庁人材交流企画室室長の心太朗がアテンドを命じられた。

マイペースというのか、来日する機内で覚せい剤を使用していた男を取り押さえたあと、蕎麦を食べに出かけた皆実。心を見透かしているかのような余裕を見せる彼と心太朗の出会いは最悪だった…。というのは、バディものとしては王道ともいえる始まりだが、皆実と心太朗=演じる福山と大泉のテンポよい掛け合いに、あっという間に魅了された。

皆実は歓迎式典で、「まずは都内各地で起きている無差別連続爆破事件の捜査に参加します。市民を恐怖に陥れる、この凶悪で卑劣な犯人を逮捕します」と勝手に宣言。心太朗を巻き込み、捜査を始めた。

■”腹黒”皆実「これで私の好感度は爆上がりです」

皆実は、自身が装着するアイカメラの映像からAIが解析するといった最先端の技術と、目が見えないことで研ぎ澄まされた嗅覚や触覚、そして訓練で身につけた捜査に必要な力を駆使。事件を追いかけてきた佐久良たちの見立てである複数犯とは真っ向から対立して軋轢を生むが、結果は皆実が分析したとおりの単独犯だった。

今回の犯人はマイノリティ(社会的少数者)といわれる人物だった。「なんにもできない人間」だと思っていたが、感謝されたことがうれしく、作った爆弾を他の者に渡していた。そんな犯人に心太朗は「てめぇの都合だけ押し付けて被害者ヅラしてんじゃねぇ」と怒りをぶつけたが、皆実は「確かに今の社会は弱い人はいらないという考え方です。でも排除された人たちに、やれることはあります。それを見つけ出すのはとてつもなく大変なことですが、助けてくれる人は必ずいます」「世の中には不必要な人間なんていないんです」と諭した。全盲のFBI捜査官として活躍する皆実の言葉には重みがある。それは、そのまま世間へのメッセージだ。

ではあるのだが、本作はその言葉をスパイスにも変えた。心太朗と2人きりになったとき、皆実は「あれはマイクの先にいる人たちに聞かせていたんですよ。ああいうの好きでしょ、日本人。これで私の好感度は爆上がりです」と“腹黒さ”を打ち明けたのだ。

続けて「ハンディキャップのある人が全員聖人君子だと思ったら大間違いです。私たちは特別でもなんでもありません。どこにでもいる、ごくありふれた人間です」と語った。

特別でもなんでもなく、人間味のある皆実と、犯罪を憎む熱さを秘めた心太朗。演じる2人は、福山が主演した2010年の大河ドラマ「龍馬伝」(NHK総合)以来の共演となるが、期待値がグンと高まる息の合った芝居を見せた。ラストで今後についての話の中で、「M-1にでも…」と言う皆実に、食い気味に「出ません。あなた日本に何しに来たんですか」と返したのは大泉洋“心太朗”のアドリブだろうか。関係性を確立させる秀逸なやり取りだった。

物語では、2人が単にバディとなっただけではなく、過去に関係があるようなことも明かされた。

SNSには「期待通りに面白かった」「これから楽しみ」「福山さんと大泉さんのバディ、最強ですごく引き込まれました」などの反響が続々。タイトルがTwitterの国内、世界共にトレンド1位に輝いた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

福山雅治と大泉洋が13年ぶりに共演!/(C)TBS