早くもフロントに対し戦力補強要請を行った新庄監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本ハムは23日の楽天戦(楽天モバイル)に延長11回の末に3―4でサヨナラ負け。勝てば新庄監督政権下では就任2年目にして開幕2カード目以降で初の最下位脱出となっていたが、最後は力尽きた。

 7人の継投で接戦に持ち込むも、3-3で迎えた11回にイニングまたぎとなった玉井大翔が無死一、二塁から辰己涼介に適時二塁打を浴び、無念のサヨナラ負け。最下位脱出はまたも果たせなかった。

【動画】23日の楽天戦、延長11回にイニングまたぎとなった7番手の玉井が辰己にサヨナラ打を浴びた場面

 打線はこの日、初回、松本剛が今季1号となる先頭打者弾を放ち、1―3と逆転された4回にも1死満塁から江越大賀の右犠飛により1点を返すなど必死に食い下がる。7回にも二死一、三塁からアルカンタラが左線への適時二塁打を放ち執念を見せたが、最後はあと一歩及ばず。

 開幕前は新庄監督が「20試合全勝宣言」も行うなど、ロケットスタートをもくろんでいたが、20試合を経過し、6勝14敗、4カード連続の負け越しで借金8と厳しい船出となっている。

 そんなチームには追い打ちをかけるようなバッドニュースも飛び込んできている。この日の試合では先発の上原健太が制球難で2回0/3を3失点で早々に降板し、ゲームを作れず。先発投手陣も苦戦する中、早期合流が期待されていたジョン・ガント投手が右肘の検査と治療のため、米国へ一時帰国したと球団は発表した。再来日の日時は未定となっており、このまま退団する可能性が高い。

 ガントは昨年メジャー通算173試合登板、24勝の実績をひっさげて、年俸2億4000万円で入団。しかし右肘の負傷で6月に一時帰国するとシーズンでは1試合も登板できず、期待を裏切った経緯がある。

 そのガントに対し、球団は今季、年俸5000万円と大幅ダウンで契約を再延長していた。シーズン2年目となる今季はオープン戦で2試合に登板も制球難があり、開幕は2軍スタート。14日のイースタン・巨人戦で先発登板した際に右ひじに再び違和感を訴えたとされる。

 昨年1試合も登板できず、2年目も開幕直後に再びチームを離れるとあって、この一報が流れると一時、「今シーズン絶望」「右ひじの状態悪化」がトレンド入りするほど大きく注目を集めた。SNS上では「球団のメディカルチェックはどうなっているの?」「3億円払って、高い買い物になった」など再延長を決断したフロントの判断をめぐって、疑問視する声があふれた。

 すでに新庄監督は球団社長に補強要請を出している。このまま低空飛行が続くようでは、勝利を願って球場に足を運ぶファンの我慢もそろそろ限界となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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