東海地方を代表するサウナ施設として、全国からサウナ好きが押し寄せる「サウナカプセルホテル ウェルビー栄店」(愛知県名古屋市)。2023年4月24日、栄店の3階が全面リニューアルされ、女性専用エリアと男女共用エリアが新たにグランドオープンした。光と音による演出が可能な「Sauna Theater NAGOYA(サウナシアターナゴヤ)」を中心に、新感覚の設備も目白押し。生まれ変わった「ウェルビー栄店」の全容を、いち早くお伝えする。

【写真で見る】2つの新エリア「Forest House」「Sauna Theater NAGOYA」

名古屋の聖地で、女性サウナーの切なる願いが実現!

これまで「ウェルビー栄店」は男性専用施設として営業していたが、過去には不定期イベントとして「レディースデイ」を開催。その都度、全国から大勢の女性サウナーが訪れ、ウェルビーが誇るハイクオリティなサウナを楽しんでいた。スタッフの松本邦仁さんは、「『女性も利用できるサウナを作ってほしい』というご要望は、イベントがあるたびにいただいていました」と話す。

■既存の男性エリア超えの充実度!?女性専用エリア「Forest House」

もともとリクライニングチェアなどが置かれていた栄店の3階が、女性専用エリア「Forest House(フォレストハウス)」と、「Sauna Theater NAGOYA」を中心とする男女共用エリアに生まれ変わった。なお、2階は引き続き男性専用フロアとして営業しており、男性は2階と3階(女性専用エリアを除く)を自由に行き来できる。

まずは多数の女性サウナーの要望に応え、満を持して登場した「Forest House」から紹介していこう。「KIRIKABU(キリカブ)」と、「Whisking House(ウィスキングハウス)」という2つのサウナがこのエリアの核。メインサウナの「KIRIKABU」は、その名の通り大きな切り株のような外見が特徴だ。根の部分は段状になっており、水風呂に入った後の休憩(いわゆる“ととのいタイム”)にも利用できる。

内部は円形で、中央にストーブが設置されるという構造。室温は70度前後に設定されている。「そこまで高温ではなく、じっくりとサウナを楽しめるセッティングです。円形になっており、全体がムラなく暖まるのも特徴です」と松本さんは話す。

そして、浴室の少し奥まった場所にあるのが「Whisking House」だ。「ウィスキング」とは、白樺などの枝葉の束を用いて行うリラクゼーショントリートメントのこと。常設的にウィスキングの施術を受けられる施設は、全国的にもまだ珍しい。サウナーの間ではすでに話題のウィスキングではあるが、この施設の登場によりさらに認知度が高まることも期待される。

水風呂は、2種類を完備。1つはなんと“シングル” (水温が1桁の水風呂のこと)で、水温約8度である。女性の浴室にシングルの水風呂が設置されているのは、全国的にも希少ではないだろうか。また、メインの水風呂は、白い建屋の扉を開けた先にあるという珍しい構造。ミストが降り注ぐという仕掛けが加わり、サウナ上がりの肌を潤してくれるのも女性にとってはうれしい。

女性サウナーに対する心配りは、パウダールームにも見られる。化粧水や乳液はもちろん、オイルクレンジング、泡洗顔フォーム、コットンヘアゴムなど、男性専用フロアには置かれていないアメニティも設置。「ReFa」や「Dyson」の高級ドライヤーを使用できるのも、女性専用エリアならではの特権だ。

ここまで女性専用エリア「Forest House」を紹介したが、「女性だけずるい!」という男性サウナーの声が聞こえてきそうなほどの充実ぶりである。いずれ「メンズデー」が開催されるのを期待するほかない。

■男女一緒にエンタメ系プログラムを楽しめる!「Sauna Theater NAGOYA」

サウナブーム真っただ中の現在、“男女が一緒に楽しめるサウナ”のニーズも高まっている。それに応える形で、ウェルビー栄店3階の一部は男女共用のエリアとなった。

その目玉が「Sauna Theater NAGOYA」だろう。こちらでは、1時間ごと(変動の場合あり)にフリーアウフグース、ショーアウフグース、ホットストレッチなど、“エンタメ系”のサウナプログラムを開催するという。館内着を着たまま、男女共に参加できるのも大きな特長だ。

アウフグース」とは、サウナ室内で蒸気を発生させ、タオルなどで熱を撹拌。体感温度をグッと上げるプログラムのこと。こけら落としとして、日本一のアウフグースマスター(仰ぎ手)を決める「Aufguss Championship Japan 2023」の中日本予選も、4月21日・22日に「Sauna Theater NAGOYA」で開催された。

くつろぎのスペースである男女共用のレストエリアには、ついつい長居したくなる工夫が満載。コンセントが至るところに設置されるなど、コワーキングスペースとしても利用可能だ。なお、レストエリアには真っ白な内観が特徴的な「Sauna Bar」があり、北欧産のビールをはじめとしたヨーロッパのドリンクなどを販売。「マッカラドッグ」(680円)など、軽食も味わうことができる。

この大胆なリニューアルの仕掛け人である、“サウナ界のゴッドファーザー”こと米田行孝社長は「“動的”なアウフグースショーと、“静的”なウィスキングを体感していただくことによって、サウナの世界がもっと奥深いということに気づいていただけるはず。サウナ、水風呂、小休憩を繰り返し、“ととのった”感覚を得るのもサウナの醍醐味ですが、楽しみ方は決してそれだけではないんです」と語る。

Forest House」と「Sauna Theater NAGOYA」のオープンには、昨今のサウナブームを次の次元へとステップアップさせることや、サウナを日本の文化としてさらに根付かせようと試みる米田社長の強い意欲が垣間見える。

取材・文=安田淳/撮影=古川寛二

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※メニューの内容や価格は2023年4月24日現在のものです。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響で随時情報が変わる場合があります。ご利用の際はできるだけ事前確認をおすすめします。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

女性専用エリア「Forest House」の浴室。手前が水風呂の「Herbal Cold Bath」で、奥がサウナ室「KIRIKABU」/photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA