代替テキスト
(岸信千世の公式サイトより)

《私に貴重な1票を託してくださった皆さま、本当にありがとうございます。そしてご支援をいただいた皆さまに心から感謝いたします。託された想いをしっかりと受け止め、より一層精進してまいります》

4月24日、Instagramにこう綴ったのは山口2区補選で当選を果たした自民党の岸信千世議員(31)。

「岸議員は東京都港区出身で、慶應義塾大学商学部を卒業。フジテレビに就職した後、衆議院議員だった父の岸信夫氏(64)の秘書を2年ほど務めました。信夫氏が体調不良を理由に次期衆院選に立候補せず、2月に議員辞職したことにより、地盤を引き継ぐ形で今回初めて出馬することに。選挙戦では安全保障の強化などを訴えていました」(全国紙記者)

そんな岸議員だが、選挙前から“お騒がせ候補”として全国的に知られていた。

「信夫氏が’22年12月、後援会幹部の会合に出席した際、『このあたりで信千世に譲りたい』と話し、今年2月の会見で岸議員本人も『家族の意志をしっかり受け継ぐ』と話したことから『まるで世襲制だ』と揶揄されることに。

さらに公式サイトでは自身の経歴とともに『家系図 FAMILY TREE』というコーナーを掲載。そこで伯父が安倍晋三氏(享年67)で曾祖父は岸信介氏(享年90)、そして曾祖叔父は佐藤栄作氏(享年74)であることを説明し、堂々と“華麗なる一族”だとアピールしていたため、ネットでは呆れるような声が相次ぎました。

すると『家系図』は削除され、公式サイトも一旦“メンテナンス中”に。しかしその後、サイトに『岸のぶちよ 後援会入会申込フォーム』だけが設置され、岸議員の情報に触れることができなくなるなど迷走を続けました」(前出・全国紙記者)

結果的には当選を果たした岸議員だが大勝とは言い難い。6万1300の票を獲得しているが、対立候補の無所属・平岡秀夫氏(69)の得票数は5万5600であり、その差は僅か6000票弱だったのだ。

「父から息子へと地盤や看板を譲るようなやり方に違和感を覚える人たちは多く、岸議員は地元でもあまり評判が良くありませんでした。また『演説に中身がない』『周囲に挨拶ができない』といった根本的な問題も囁かれていましたね……。父である信夫氏が過去4回連続で当選を果たしてきた圧倒的な地盤があったにも関わらず、平岡氏に猛追を許したことを岸議員は切実に受け止める必要があるでしょう」(前出・全国紙記者)

当選から一夜明けて、Twitter上では《この人に何ができる?》《優秀であれば世襲だろうが構わんよ ただ信千世が課題課題言うてるわりには具体性も無いフワッとした言葉しかないからね》という声が上がり、早くも岸議員への不安が高まっている。“世襲イメージ”を払拭することはできるだろうか?