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ドイツのスポーツカーメーカー復活

ドイツスポーツカーメーカーであるヴィーズマン(Wiesmann)は、同社初の電動化モデルとなる新型「サンダーボール」の実車を英ロンドンで開幕のサロン・プリヴェにて公開した。

【画像】レトロスタイルのEVロードスター【ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボールを写真でじっくり見る】 全41枚

サロン・プリヴェでは、タンレザーのインテリア、アルカンターラ巻きのステアリングホイール、ユニークなスタイルのダイヤモンドカット・アロイホイールを装着したサンダーボールが展示されていた。価格は30万ユーロ(約4400万円)とされる。

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ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボール    AUTOCAR

BMWエンジンを使用したレトロスタイルのスポーツカーで知られるヴィーズマンは、2013年に破産申請して以来、波乱の時期を経て復活の道を歩んでいる。

ヴィーズマンは、2016年に国際的なIT企業であるコンテック・グローバルに買収され、そのマネージング・ディレクターであるロヒーン・ベリー氏が現在、同社のCEOを務めている。

ベリー氏はサンダーボールについて、「世界で最もエキサイティングなEVスポーツカー」 になるだろうと語った。

サンダーボールはリアアクスルに2基の電気モーターを搭載し、最高出力680ps、最大トルク112kg-mを発揮する。車重は約1700kgで、0-100km/h加速2.9秒とされる。

このパワートレインは、ドイツスポーツカーメーカーであるロディング・オートモビル(Roding Automobile)との共同開発によるもの。ロディングは、軽量なカーボンファイバー構造を得意とし、BMWの直6エンジンを搭載した車重950kgのロディング・ロードスターなどで知られている。

未来的過ぎないインテリア

83kWhのバッテリーもロディング製だ。最大300kWの速度で充電できる800Vシステムを備え、1回の充電での航続距離は約500kmと推定される。

回生ブレーキシステムは、サンダーボール向けに特別に開発されたものだ。ヴィーズマンによると、「コーナーで強力なエンジンブレーキ効果」を発揮し、それによって「現在販売されているほとんどのEVに欠ける楽しみをドライバーに与える」ことができるという。

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ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボール    AUTOCAR

往年のヴィーズマンモデルにインスパイアされたデザインが特徴的だが、随所に新鮮なタッチが施され、新時代の幕開けを告げている。

特徴的な卵形のグリルは、V10エンジンを搭載したヴィーズマンMF5をオマージュしたもので、ヘッドライトはエアベントに統合されているものの、おなじみの縦型レイアウトとなっている。

エンジンがないにもかかわらず、クラムシェル型のボンネットは長く、オースチン・ヒーレーやジャガーXK120など、英国の歴史的スポーツカーを思わせるシルエットが採用されている。

カーボンファイバー製のダッシュボードには、大型タッチスクリーンと7つのアナログダイヤル、そしてレーザーエッチングのバッジが配置され、現代性と伝統の融合を表現している。

スポーツシートやドアパネル、グローブボックスはカーボンファイバー製で、新デザインのマルチファンクション・スポーツステアリングホイールも装備されている。

サンダーボールは、ドイツ・デュルメンにあるヴィーズマンの工場で製造される。


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