かつては嘲笑と侮蔑の対象であった「クソゲー」を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わったと見ていいだろう。SNSの発達や、ユーモアあふれるゲーム実況者らの存在に後押しされ、令和の現代では「プレイしてみたいクソゲー」としての地位を確立したものも少なくない。

今回は、そんなクソゲーとして再評価を集めるゲーム『アンシャントロマン 〜Power of Dark Side〜』の意外すぎる知名度について探っていこう。

【関連記事】世界最大の格ゲー大会、実況の「4文字」絶叫に耳を疑う… 日本勢からは称賛の声


画像をもっと見る

■『アンシャントロマン』とは?

一言に「ロック」といっても様々な音楽性が存在するように「クソゲー」ひとつひとつが持っている特徴は異なるもの。

あまりに大味すぎるゲームバランスのものもあれば、特定の条件下でフリーズしてしまうなどプレイするうえで致命的な欠陥を備えたもの、虚無の極みといえる作業を「賽の河原の石積み」のように延々と繰り返させるものなど、クソゲーの世界もまさに「十人十色」というワケだ。

アンシャントロマン

今回取り上げる『アンシャントロマン』は1998年にリリースされたプレイステーション(以下、PS)ソフト。

前年リリースの超名作ソフト『ファイナルファンタジー7』(以下、FF7)からの影響を強く感じさせるが、『FF7』はおろかPS初期のソフトにすら及ばないレベルのグラフィック、爽快感がなく大味すぎる戦闘、あまりにぶっ飛んだストーリー展開、非常に分かりづらいマップの切り替え、感情が欠片も感じられない棒読みなキャラクターボイス、その他様々な要素から問答無用で「クソゲー」の烙印を押されている。

しかし、令和に入って「名クソゲー実況者」と名高いからすま氏が同作のプレイ動画を公開したところ、中古市場にて価格が高騰する珍事が発生。そうした背景もあり、25年前のゲームにも関わらず『アンシャントロマン』は現在、リアルタイムで再評価を受けているのだ。


関連記事:日本人の4割、ローソン看板を誤解していたと判明 「40年前の真実」に衝撃走る…

■英語だと「Ancient Roman」だが…

ところで『アンシャントロマン』というタイトルを見て、首を傾げた人はいないだろうか。そう、同作の英語表記は「Ancient Roman」だが、「古代の」を意味する英単語「Ancient」はカタカナでは「エンシャント」や「エインシャント」と表記されることが多いのだ。

しかし、クソゲーを愛する全ての人々にとって「Ancient」の読み方は「アンシャント」1択である。そこで今回は、全国の10〜60代の男女1,000名を対象として「Ancient Roman」の正しい読み方に関するアンケート調査を実施することに。

クソゲーの一般教養がある人物ならば難なく読めるフレーズだが…なんと調査の結果、こちらを正しく「アンシャントロマン」と認識しているのは、全体のわずか38%と判明。過半数の62%は「エンシャントロマン」を選択していたのだ。

アンシャントロマングラフ

PSを代表するクソゲーの知名度の低さに驚きと落胆を禁じ得ない読者も多いかと思うが、一旦落ち着いてほしい。今回の調査において真に注目すべきは「性年代別の回答」なのである。


■女性人気が高すぎる…

アンシャントロマングラフ

なんと今回の調査で、正しく「アンシャントロマン」を選択していたのは、男性より女性が多いと判明しているのだ。こちらの傾向は若年層に顕著で、10〜20代男性の正答率は17.3%の一方、同年代の女性は41.8%と、圧倒的大差をつけていた。

唯一30代が4割未満となったが、その他の世代は軒並み4割以上が「アンシャントロマン」と回答し、60代女性に至っては半数が正答しているから驚きというほかない。つまり今回の調査結果から「世の女性の多くは『アンシャントロマン』に興味がある」という仮説が導き出せないだろうか。

前出の通り、中古市場にて価格が爆上がりしている『アンシャントロマン』だが、気になる女性へのプレゼントとして、これ以上の適役は存在しないだろう。

アンシャントロマン

非常に幅広い世代の女性から認識されている点を考慮すると、意中の相手への贈り物でなく「母の日のプレゼント」としても喜ばれること間違いなし。ぜひ「ウデガナルゼ〜」の雄叫びと共に、中古ショップを散策してみてほしい。

・合わせて読みたい→日本人の2割超、あの漫画家の名字を勘違いしていた 「富樫」と書きたくなるが…

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ 調査期間:2023年1月27日~2023年1月30日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

日本女性の4割超が「伝説のクソゲー」知っていて驚愕… 世の男性はプレゼントにすべき