深セン証券取引所の創業板への新規上場を目指す、深セン市曼恩斯特科技(301325/深セン)が4月27日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3000万株を発行予定で、公募価格は76.8元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2014年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。精密コーティングスロットダイ、コーティング設備、コーティング部品の研究開発、製造、販売を主業務としている。精密コーティングスロットダイはリチウムイオン電池製造の重要工程である正極、負極の塗布に用いられており、リチウムイオン電池製品の良品率、安全性、Cレート、容量を左右する大きな役割を担っている。同社は精密コーティングスロットダイで世界先進レベルの技術を持っており、中国国内のリチウムイオン電池業界において国産製品への置き換えを実現。寧徳時代、BYD、中創新航、国軒高科、億緯リチウム能といったリチウムイオン電池世界シェアトップ10企業をはじめとする多くのメーカーと安定的な提携関係を築いてきた。
 
 中国電池工業協会によれば、21年における精密コーティングスロットダイの市場シェアは26%となっており、中国企業の中では3年連続1位を獲得した。自前の研究開発センターによる開発能力の高さ、カスタマイズ能力の高さ、技術力の高さ、優れたアフターサービス能力、世界最大手クラスのリチウムイオン電池メーカーなど優れた顧客リソースなどの強みを持ち、中国国内の業界においてはリーディングカンパニーとしての地位を築く一方で、パナソニックや三菱、米EDIといった世界的なトップ企業に比べると技術力、製品ラインナップ、ブランド知名度などでなおも一定の差がある。
 
 22年12月期の売上高は4億8847万元(前期比2.04倍)、純利益は2億489万元(同2.17倍)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億4000万〜1億6000万元(前年同期比73.98〜98.84%増)、会社株主に帰属する純利益が5400万〜6200万元(同79.93〜106.59%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【深センIPO】リチウム電池製造向けコーティングスロットダイの深セン市曼恩斯特科技が27日に公募開始、3000万株発行予定