チャールズ国王の戴冠式を間近に控え、ヘンリー王子が王室に新たな爆弾を投下した。王子は英タブロイド紙『The Sun』の発行元『News Group Newspapers(NGN)』を提訴した法的文書の中で、王室が新聞社と裏取引をしていたと主張したのだ。文書によると、生前のエリザベス女王がこういった取引の承認に関与したことや、兄ウィリアム皇太子が電話盗聴をめぐって同社から巨額の和解金を受け取ったことなどを述べているという。

現地時間25日、英ロンドンの高等法院でヘンリー王子が関与する3日間の審理が始まった。王子は、英タブロイド紙『The Sun』の発行元『News Group Newspapers(以下、NGN)』を違法な情報収集の疑いで訴えていた。自身が10代の頃、同紙の記者と彼らに雇われた私立探偵にプライバシーを侵害されたことを告発したものだ。

ヘンリー王子の訴えに対してNGNは、王子の提訴が遅すぎたことから請求を棄却するよう要求した。

しかしヘンリー王子の代理人デビッド・シャーボーン氏は、王子が2012年に王室とNGNの間で“秘密協定”が結ばれたことを知らされたため、同社を訴えることができなかったと主張している。

高等法院で公開されたシャーボーン氏の文書によると、裏取引の契約で王室職員達は王室メンバーが法的請求を先送りすることに密かに同意したという。NGNは王室が恥ずかしい思いをしないよう、将来的に法廷外で和解することを約束したそうだ。

その理由については「王室メンバーが証人台に座り、盗聴されたプライベートで機密性の高い留守番メッセージの具体的な内容について証言しなければならないという事態を避けるためだった」と記述されているという。

さらに生前のエリザベス女王が、こういった取引の「話し合いと承認」に関与したとも主張している。

ヘンリー王子は、2018年になっても何も解決していないことに苛立ちを感じ、盗聴疑惑の法的請求に対して「強制的に解決したい」と考えていたという。すると女王はNGNと話し合って和解することに合意し、王室職員が同社に電子メールを送ったり、弁護士を立てる許可を出したそうだ。王子は2019年に同社を提訴する決意をすると、父チャールズ皇太子(以下、当時)は猛反対したという。

チャールズ皇太子ダイアナ妃と結婚していた当時、愛人関係にあったカミラ夫人(当時)との電話での親密な会話が盗聴され、メディアで大々的に報じられたことがある。文書では、こういったことが繰り返されることについて「王室職員達は信じられないほど神経質になっている」と記されている。

また他にも、ヘンリー王子の兄ウィリアム皇太子について「最近、NGNに対する請求を裏で解決した」と記述されていることが明らかになったのだ。

ウィリアム皇太子は自身の電話が盗聴されたことに対する法的請求を解決するため、同社の経営者から巨額の和解金を受け取ったという。支払いは2020年に行われたが、書類にはウィリアム皇太子が受領した金額は開示されておらず、詳細についても明らかにされていない。

なお英メディア『The Telegraph』は、ウィリアム皇太子が受け取った金額は約100万ポンド(約1億6700万円)だったと報じており、皇太子ヘンリー王子が提出した法的書類の内容について全く知らなかったと加えている。

今回の審理から11日後となる5月6日には、ロンドンのウェストミンスター寺院でチャールズ国王の戴冠式が執り行われる。ヘンリー王子は米国から帰国して戴冠式に出席するが、式典の直前に爆弾を投下したことにより「戴冠式での和平への希望は朽ち果ててしまった」と同メディアは記している。

画像2、3枚目は『The Royal Family 2022年5月30日付Instagram「2019: The Queen is pictured at the annual Chelsea Flower Show in London.」、2016年11月13日付Instagram「The Duke of Cambridge,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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