「幽霊が見える」「霊感がある」などとよく言うが、他の人には見えず、自分だけに見える“異形の存在”に出会ってしまったらどれほどの恐怖だろう。そして、それが見てはいけないものだったら――。今回は、GWなど長期休暇にじっくり読むのにおすすめな正統派ホラー漫画を紹介しよう。

【漫画】本編を読む…「それ」が見えても、とにかく知らぬふりをしろ。

■「見てはいけないもの」が自分だけに見える恐怖

本作品は、漫画家の的野アンジ(@matonotoma)さんが、自身のTwitterに“「それ」が見えても、とにかく知らぬふりをしろ。”というコメントともに投稿したもの。日常に潜む恐怖をリアルに、そして静かに描いた作品は、Twitterでも反響を呼んでいる。

幼い頃から異形の存在に遭遇してきた主人公・秀一。しかし、その存在は母親をはじめ他の人には見えないという。唯一理解を示してくれたのが、同じようにその存在が見える祖母だった。

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祖母いわく、その異形は「幽霊よりも良くないもので、あんまり構うと連れていかれる」のだという。「見えても知らないふりをしなさい」という祖母の教えに従い、次第に異形が現れてもうまくかわせるようになった秀一。たまに強烈な存在に引っ張られそうになっても、祖母の近くにいれば安心だった。

そんな祖母が、数年後不審な死をとげた。

「本物の人と間違えて異形を無視できなかったのかもしれない」恐怖と悲しみに暮れる秀一の前に現れたのは、祖母の顔にそっくりな異形だった。思わず「ばあちゃん…」と呼んでしまった秀一の心のスキをつくように、異形の行動はエスカレートしていく――。

本作は、的野アンジさんが「少年サンデーS(スーパー)」および「サンデーうぇぶり」で連載中のホラーオムニバス漫画『僕が死ぬだけの百物語』に収録されている一篇。いわゆる“霊感”がある人は共感してしまうようなストーリーと、祖母を慕うが故の切なく悲しい結末はユーザーから注目を集め、Twitterへの投稿には5300件以上のいいねが寄せられた。

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画像提供:的野アンジ(@matonotoma)

異形が見える自分を唯一支えてくれたおばあちゃん。その死後に待つ悲劇とは/画像提供:的野アンジ(@matonotoma)