ドルトムントは27日、同クラブに所属しているドイツ代表MFマルコ・ロイスと新契約を締結したことを発表した。

 ピッチ内外でチームを支えるキャプテンが、来季もドルトムントプレーすることとなった。ロイスに関しては2022-23シーズンをもって契約が満了を迎えることから去就に注目が集まっていたが、シーズンも終盤戦に突入したこのタイミングで新契約を締結。契約期間は2023-24シーズン終了時までの1年間となっている。ドイツメディア『ビルト』によると、年俸はボーナス込みで700万ユーロ(約10億円)ほどの見込みだ。

 ロイスは1989年5月31日生まれの現在33歳。ドルトムントの下部組織出身だが、ユース年代でロート・ヴァイス・アーレン(現:4部)の下部組織へ移籍し、そのままトップチームデビューを飾った。2009年夏にはボルシアMGへと完全移籍。2011-12シーズンには公式戦37試合の出場で21ゴール14アシストを記録するなど、ブンデスリーガを代表するアタッカーへと成長を遂げ、2012年夏にドルトムントへの“復帰”を果たした。

 ドルトムント加入後は長らく主力として活躍しているだけでなく、2018-19シーズンからはキャプテンに就任。負傷に悩まされる時期も少なくはなかったが、ここまで公式戦通算で382試合に出場して161ゴール120アシストを記録している。今季は足首のケガに悩まされながらも、ここまでブンデスリーガ20試合の出場で6ゴール5アシストをマーク。第29節終了時点で首位に立っているドルトムントを支えていた。

 ドルトムントのCEO(最高経営責任者)を務めるハンスヨアヒム・ヴァツケ氏は、クラブ公式HPを通して「マルコは我々のクラブにふさわしい選手で、キャリア後期における最大の成功を共に目指していく。これまでケガによって多くの不運に見舞われてきたが、彼は生粋のドルトムントの選手で、チームのキャプテンとしてこのクラブにかかわるすべての人々と同じ目標に向かっている。クラブを成功に導くという大きな野心を持ち続けているんだ」とコメントを発表した。

 また、ロイス自身もクラブ公式HPを通してコメントを発表。今季のブンデスリーガ制覇に向けた熱い想いだけでなく、契約延長を決めた理由を明かしている。

「今、チームはファンの皆さんと同じく、大きな目標に向かって全力を注いでいる。その目標とはドイツチャンピオンになるということ。そして、そのためには皆さんの最高のサポートが必要だ」

「何よりも、僕は人生の半分以上を共に過ごしたクラブのためにベストを尽くしたいと思っている。世界最高のファンの前で、世界で最も美しいスタジアムでゴールを決め、勝利を共に祝うことほど、僕にとって素晴らしいことはない。だからこそ、契約をもう1年延長したことを嬉しく思っている。僕は常に口にしてきたことがある。それは、ドルトムント以外のユニフォームを身に纏ってプレーするのは考えられないということだ。僕にとってはここが最高の場所なのだから」

 2012-13シーズン以降のブンデスリーガではバイエルンが10連覇を飾っており、ドルトムントは1度も覇権を取り戻すことができていないが、今季は11シーズンぶりの優勝が狙える状況でシーズン終盤戦に突入している。ロイス個人にとっても自身初の“マイスターシャーレ”を掲げるチャンスだ。来季も『ジグナル・イドゥナ・パルク』でプレーする33歳のアタッカーは、ドルトムントのサポーターを興奮の渦に巻き込むことができるだろうか。

【画像】ドルトムントがロイスとの新契約締結を発表!

キャプテンとしてドルトムントを支えるロイス [写真]=Getty Images