ゲーミング家具やインテリア製品を展開するブランド XenovaのつよつよゲーミングデスクトップXENOVA GAMING PLUS PRO』をご紹介します。

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 PCゲーミングに詳しい人向けに結論からざっくり圧縮すると、

・最新世代のRTX 4070 Ti 採用つよゲーミングデスクトップ
・RTX 40シリーズやはり強い。「中の上」の4070 Tiですら前世代ハイエンドの3080を圧倒。特に限定機能「DLSS 3」で天地の差。泣ける
・ショップブランドとしての特徴は、映える白パーツ選定と丁寧な仕上げ

 初めましてのかたは初めまして。テクノロジージャーナリスト兼よろず売文業の Ittousai と申します。

  普段は泡沫テックメディアのテクノエッジ TechnoEdge を運営しておりますが、たまたまご縁があってこちらのお座敷に呼ばれましたので、しれっとゲーミングPCの試用インプレをお伝えいたします。基本は借りてきた猫モードなのでご安心ください。

文/Ittousai

『XENOVA GAMING PLUS PRO』販売ページはこちらXENOVA Gaming PC公式サイトはこちら
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ゲーミング家具のXanova製。BTOとは(そこから)

 さて、まずはメーカーのXenovaから。Xenovaはゲーミングデスクキャビネット等のゲーミング家具を企画・販売する日本のメーカーで、「部屋の空間を壊さず引き立てる」がコンセプト。

 ゲーミングPCについては、基本的に市販のパーツを組み上げて販売するBTOのショップブランドということになります。

 いちおう説明すると、BTOは「Build To Order」の略。そのまま訳せば受注生産のこと。PCでは基本構成のほかにパーツをカスタマイズして注文できる製品がこう呼ばれています。

 今回試用したXenova Gaming PC Plusの主な構成は、

OS:Windows 11 Pro
CPU:Core i7 13700KF 簡易水冷
RAM:DDR5 5600MHz 32GB(16GB x2)
GPUNVIDIA GeForce RTX 4070 Ti 12G
マザーボードASRock B760M Steel Legend WiFi
ストレージ:PCIe Gen4 NVMe 1TB SSD
電源:750W
追加オプション:A-RGBファン + シミオシグリス + Bykski製 ブラケット

※試用したサンプルの構成です。購入する場合はパーツ構成を改めて確認してください

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 基本的にはこのクラスとしてバランスが良く、変にケチったところもないしっかりした「上」構成です。

 ケースは前後上下の4面メッシュ + 片面強化ガラスパネルでパーツが見える「液晶エアフローケース」ホワイト版 (Jonsbo D31 Mesh)。

 分類としてはいわゆるミニタワーケース(MicroATC / Mini-ITC / Mini-DTX対応)。デスクトップPCは初めての方のために付記すれば、サイズは幅が約20cm、奥行き約45cm、高さ約36cm。あくまでデスクトップPC世界の「ミニ」です。

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▲底面のフィルタも簡単に取り外してクリーニング可能

 ホワイトを選ぶと、パーツの多くもインテリアに合わせやすい白系統に。ゲーミングPCお約束のA-RGBライティングもあり、極彩色からお上品まで見栄えをカスタマイズできます。

最重要パーツはRTX 4070 Ti。40番台やべえ

 ゲーミングPC選びにもさまざまな観点がありますが、ゲームの快適さやグラフィックの豪華さを優先するなら、もっとも重要なパーツはGPUグラフィックボード選びになります。

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 今回試用したXenova Gaming PC Plus Proが標準で採用するのは、NVIDIAの最新世代GPU RTX 40シリーズのうち、ミドルハイクラスにあたる「RTX 4070 Ti」

 さらに上にはハイエンドの 4080、おばけクラスの最上位モデル 4090 がありますが、それぞれGPUだけでも20万円スタート、30万円スタートというガンギマリした製品なので、基本的には仕事道具にするクリエーターや、修羅の道をゆく性能最優先主義のゲーマー向け。

 単体で10万円台のRTX 4070 Tiも、当初は「RTX 4080 (12GB)」というハイエンドのちょい下モデルとして発売予定だったほどの性能を備えており、十二分に最新世代 GeForce RTXの威力を堪能できます。

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▲『サイバーパンク2077レイトレーシング:ウルトラ設定のベンチマーク。WQHD程度なら平均で140fps超え

 位置づけはともかく「具体的にどうすごいのか、型落ちで安くなってるはずの前世代ハイエンドよりも良いの?」という話をすれば、ゲームグラフィックの細やかさや滑らかさに直結する単純な処理性能で前世代のハイエンド RTX 3080を軽く上回るほか、

 ・処理効率も高くなり消費電力が低い、つまり電源やファン、パーツの負荷も下がる
 ・レイトレーシング性能が大幅向上。ゲーム世界の実在感を飛躍的に高めるパストレーシングも射程圏に
 ・DLSS 3やAV1エンコーダなど、30シリーズは非対応の新機能が強力

 といった点が大きな特徴です。

 処理性能だけでない「効率」は、40シリーズの大きな特徴のひとつ。NVIDIAの資料では、同程度の処理性能時に30シリーズ比で25%から30%以上も消費電力が下がっています。

 消費した電力は熱になり冷却ファンや各種のパーツに負荷を与えるため、ゲーミングPCの場合は電気代以上に静音性や耐用年数を左右します。

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▲ケースの全長フルに収まっている GeForce RTX 4070 Ti

 レイトレーシング性能の向上も40シリーズの大きな特徴。ゲーム専用機でも解像度やフレームレートと引き換えに部分的なレイトレーシングはできるようになりましたが、最新のPCゲームグラフィックではレイトレーシングがさらに進化し、ゲーム全体のライティングを実現するタイトルも現れてきました。

 かつてのレイトレーシングは、特にグラフィック知識に精通するゲーマーが、あらかじめ注目点を予習したうえで、これ見よがしにキラキラな鎧やら水たまりやらガラスの反射をわざわざ覗き込んで有り難みを感じるようなものもよくありましたが(暴言)、最近は広い範囲のライティング全体をレイトレーシングで実現することで、部分的な「ここ見て!」に留まらず、ゲーム世界の実在感を底上げするタイトルも増えつつあります。

チート的な威力の『DLSS 3』は40シリーズだけ

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NVIDIAが発表したDLSS 3フレーム生成の性能

 「DLSS」はDeep Learning Super Samplingの略で、最近のRTXシリーズの強さを象徴する機能。ざっくりいえば、AI処理のために搭載するコアを使い、従来の描画処理とは別の手法で高品質な引き伸ばしや補完をすることで、実質的な性能を掛け算で跳ね上げる機能です。

 前世代のDLSS 2までは、たとえば内部的にフルHD (1920 x 1080)など低い解像度で描画したグラフィックを、AI用のTensorコアを使い高品質かつ高速に拡大することで、ネイティブに限りなく近い4Kなど高精細で描画できる、つまり実性能の数倍に相当する描画を実現してしまう機能でした。

 最新世代のRTX 40シリーズだけで利用できる最新バージョン「DLSS 3」は、このAI処理による補完をさらに進歩させ、中間フレームの生成にも対応。

 ゲームグラフィック品質の外面的な指標には、画面の細かさ(解像度)と滑らかさ(フレームレート、コマ数)がありますが、DLSS 3は「光学フローアクセラレータ」を使い、高精度な中間フレームを生成してフレームレートを飛躍的に向上させられるようになりました。

 具体的には、ハイエンGPUでも処理が重いことで知られる『Microsoft Flight Simulator』で、ギリギリ60fps(60コマ/秒)だったグラフィック設定のまま100fpsに跳ね上げるなど。

 グラフィックを細かく設定できるPCゲームでは、テクスチャの細かさやレイトレーシングの有無、各種エフェクト解像度など「豪華さ」と、フレームレートの高さ(コマ数の多さ)で決まる「滑らかさ」のトレードオフで悩むのがお約束であり醍醐味でもありますが、DLSS 3は本来カクカクになるほど豪華に盛ってもヌルヌル動く、ほとんどチート級の威力を発揮します。

 DLSS 3はゲームごとの対応が必要ですが、昨年の発表以来多くのゲームが対応を表明しており、メジャーゲームエンジン側でも対応するため、今後はさらに多くのタイトルで使えるようになる見込みです。

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サイバーパンク2077』で実験的に追加されたばかりの「パストレーシング」(技術プレビュー。超高負荷)
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▲DLSS Frame Generation(中間フレーム生成)を有効にすると平均97fps!

 NVIDIAによると、このDLSS 3は前世代までのRTX 30シリーズには対応しないため「RTX 40シリーズかどうか」で超えられない壁があることになります。

 RTX 40シリーズだけの機能をもうひとつだけ挙げれば、ビデオエンコーダが前世代より大幅に早くなり、最新コーデックAV1に対応したこともあります。

 詳しい話は省略して結論だけいえば、ゲームをしながら高解像度の映像をストリーミングしたり保存しても処理が軽く、もともと高効率で画質が良いAV1コーデックを使えば、画質が良い上に保存するストレージ容量や転送するネットワーク帯域の節約にもなるため、クリエイターや配信者にも非常に嬉しい機能です。特にゲーム実況配信をしなくても、プレイを高画質かつ軽く残せるのは大きな魅力。

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3DMark Speed Wayベンチマークスコア
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▲もはや負荷が軽すぎてあまり意味がない Time Spyベンチマーク

モノとしても丁寧な仕上げ。サブディスプレイが意外と便利

 RTX 40シリーズが強い話はこれくらいにして、ここからはモノとしてのXenova Gaming PC Plus Proについて。

 前述のとおり、基本的には市販品のパーツを選定して市販品のケースに収めた商品ではありますが、BTOのゲーミングPCで気になる組み立てや仕上げの品質もしっかりしています。

 自作するとつい手を抜きがちになるケーブルのさばき方も、ミニタワーの内寸ギリギリの大型グラフィックボードや簡易水冷ラジエーターを採用しつつ、無理なく背面側に回してしっかり結束するなど丁寧な作りです。

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▲手を抜くとジャングルになりがちな配線も裏面に這わせて細かく結束

 面白いところでは、ケースの前面パネルに8インチ1280 x 800の小さな液晶ディスプレイが組み込まれており、PCから取り外しても利用可能です(有線接続)。

 基本的にはファンの回転数やCPU/GPUの温度などステータス的な情報を表示する使い方を想定したものですが、Windowsからは通常のディスプレイとして認識されるため、小さなサブディスプレイとして何でも表示できます。

 たとえばメインのディスプレイではフル画面でゲーム中に通知やチャットアプリを表示したり、音声メインの動画を再生しつつ気になったら目をやるなど。スマホよりも広く、PC画面なのでSteamのダウンロード進行でも何でも表示できます。

結局、ゲーミングデスクトップしか勝たん

 主にRTX 40シリーズのヤバさについて延々と説明してきましたが、ゲーミングPCとして最大の強みは結局デスクトップPCであること」

 近年はノート向けのGPUも飛躍的に性能向上と効率化が進み、ゲーミングノートもかつての道楽的な存在から堂々たるメインストリームになってはいるものの、やはり体積と電源供給そして冷却において、同じ物理法則という土俵に載っている以上、どうしてもデスクトップに及ばない部分があります。

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▲妖しく映えるライティング。オフにもカスタマイズもできます

 冷却ファンひとつをとっても、デスクトップならばゲーミングノートには物理的に搭載できないサイズを何発も使うことができ、同じ負荷でもノイズが少なく、耳につく高音成分がほとんどないのはQoLの大きな差。

 大前提をいまさら繰り返せば、特にハイエンドなグラフィック性能を求める場合、そして据え置き利用で良いならば、ゲーミングPCデスクトップが価格的にも快適性でも、将来的なアップグレード性能的にもやはり第一選択になります。

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Xbox Eliteワイヤレスコントローラ Series 2はサイズ比較用。付属しません。

 ゲーミングデスクトップPCとして総合的に見た場合、Xenova Gaming PCホワイトモデルは色に拘るトレードオフが少ないパーツ選択や、バランスの取れた構成、アドウェア的なうるさい独自ソフトやサブスクを求めてくるサードパーティのアプリがないこと(大事)、丁寧なケーブル捌きと仕上げなど、ショッププランドとして何の問題もなくRTX 40シリーズの威力を堪能できる「つよゲーミングPCです。

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