27日に行われ、中日が「2-3」で敗れた広島戦。先発を務めたプロ7年目・29歳の柳裕也が見せた表情が話題となっている。

 注目が集まったのは、「2-2」と両チーム同点で迎えた9回表1死三塁でのこと。打席の中日・加藤翔平が広島3番手・栗林良吏にカウント「2-2」と追い込まれていた中、立浪和義監督は次の5球目に加藤に3バントスクイズを仕掛けさせるという強攻策を打つ。しかし、加藤は高めに浮いたカーブにバットを当てられず空振り三振を喫した上、三塁を飛び出した高松渡も挟殺アウトにされる最悪の結果になった。

 三振ゲッツーで9回表が終了した直後、中継カメラはピンチ脱出を喜ぶ広島ベンチ、中日ベンチ内の柳の様子を順に映す。ベンチ前のフェンスにもたれながら戦況を見守っていた柳は、口を半開きにしながら前方を見つめるなど呆然としたような表情を浮かべていた。

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 柳に対し、ネット上では「柳も三振ゲッツーに呆れ返ってる…」、「自滅でチャンス潰れた絶望感がにじみ出てるな」、「勝ち星消された上にこんな拙攻見せられるのは可哀想過ぎるだろ」、「今日の柳は不憫にもほどがある、モチベーションも相当落ちたんじゃないか」といった同情の声が寄せられた。

 「同戦の柳は打線から2点しか援護をもらえない中、『7回無失点・被安打5・四球1』と素晴らしい投球を披露。ところが、8回裏に2番手・田嶋慎二が『0.0回2失点・被安打2』と背信投球を見せたことで今季初勝利の権利をあえなく消されました。その上、9回表の勝ち越し機が監督の采配ミスでつぶれる光景を目の当たりにしたとなれば、内心相当な無力感、脱力感に襲われたとしても不思議ではないのでは」(野球ライター)

 同戦の中日はその後延長12回裏、2死満塁のピンチを招いた7番手・砂田毅樹押し出し四球を与えサヨナラ負け。無失点投球ながら自身もチームも勝てなかった柳だが、試合後の報道では「内容は悪くなかった。自分は投げるだけなので」と気丈にコメントを残したことが伝えられている。

文 / 柴田雅人

立浪和義監督