ランニング

アウトドアや屋外スポーツが心地よい今の季節。新型コロナウイルスもすっかり落ち着き、各地でスポーツ大会が再び盛り上がりをみせている。だが、いくら勝ちたくてもズルは御法度だ。

ある女性がとった信じられない行為を、オーストラリアの『ABC』や『Oddity Central』などが報じている。


■時差ボケで体調不良に

イギリスで今月7日、マラソン大会の『GB ウルトラス』に出場したジョアシア・ザックチェウスキーさん(47)。マンチェスターからリヴァプールまで、80キロメートルの道のりを走るべく、はるばる母国のオーストラリアから参戦した。

時差ボケであまり眠れず、体調が悪いまま当日を迎えてしまったジョアシアさんだったが、それでも走ることを決めたという。


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■棄権のため友人の車へ

スタートを切り半分ほど走ったところで、足の痛みを訴えたジョアシアさん。棄権を覚悟で近くにいた友人の車に乗り込み、最寄りのチェックポイントまで送ってもらった。

そこで中断の意思を伝えると、スタッフに「ここで止めて後悔しないか?」と問いただされ、励まされると再び走ることを決意。前方を走るランナーたちを抜かさないよう気を配り、なんとかゴールまで走り抜けた。


■ある地点で時速56kmに

なんと、ジョアシアさんは予想外の3位を記録。何も知らないスタッフたちは、彼女を表彰台へと導き、銅メダルトロフィーが授与された。

しかし後日、受賞ランナーの移動地点と速度を調べるGPXデータで、彼女の走る時速があるとき56キロメートルを記録していることが発覚。あのウサイン・ボルト選手より速く走れるわけがないとして、大会事務局が彼女に聞き取り調査を行った。


■違反行為でメダル剥奪

そこでジョアシアさんは事実を白状し、チェックポイントにいたスタッフたちも同じように証言したことから、失格となり銅メダルトロフィー、記念品はすべて剥奪された。

彼女は「大きな過ちを犯してしまい、申し訳なく思っています」と反省の弁を口にするも、ゴールの瞬間、意識が朦朧としていて正しい受け答えができなかったと釈明している。

これを受け、4位から3位に繰り上がったメル・サイクスさんは、「私には嬉しいことでしたが、スポーツマンシップとしてはあるまじき行為だと思います」と彼女のことを批判した。

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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ

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