セリエA第32節が29日に行われ、ローマミランが対戦した。

 前節終了時点で5位のローマと4位のミランによる、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を懸けた“直接対決”の幕が上がる。現在両クラブは勝ち点「56」で並んでいる。ローマヨーロッパリーグ(EL)では準々決勝でフェイエノールトを下し、準決勝行きの切符を掴んだものの、続く24日開催の前節アタランタ戦は1-3で敗北。一方のミランはCL・準々決勝でナポリを下し、最後に大会制覇を成し遂げた2006-07シーズン以来となるベスト4入りを決めていた。セリエAに限定すると直近5試合は2勝2分1敗。敵地開催の一戦を制し、2連勝を狙う。

 ローマは前節からスターティングメンバーを4名変更。アンドレア・ベロッティやレオナルド・スピナッツォーラが先発に復帰し、前節足首を痛めたパウロ・ディバラはベンチからのスタートとなった。一方のミランは4名を入れ替え。CL・準々決勝のナポリ戦2試合と全く同じ面々となり、テオ・エルナンデスラファエルレオンオリヴィエ・ジルーらが先発に名を連ねた。

 試合は立ち上がりから拮抗した展開に。両チームなかなか決定的なシーンを作れない中で迎えた26分、ミランが相手ゴールを脅かす。左サイドのタッチライン際からボールを持ち運んだT・エルナンデスが相手を引きつけて中央へ送ると、ペナルティエリア手前でボールを受けたR・レオンが右へ繋ぐ。駆け上がっていたダヴィデ・カラブリアが最終ラインとGKの間に低いボールを通したものの、味方には合わずフィニッシュまでは持ち込めなかった。

 一方のローマは33分、左サイド高い位置でボールをキープしたベロッティが内側を走っていたスピナッツォーラを使うと、相手を外してマイナスへ折り返し。遅れて入ってきたロレンツォ・ペッレグリーニがフリーで合わせたが、シュートはタミー・アブラハムに当たってゴールとはならず。こぼれ球を狙っていたベロッティのシュートもジャストミートしなかった。前半はこのままスコアレスで終了している。

 後半に入っても試合の様相は変わらない。ミランは60分、サンドロ・トナーリの放ったロングフィードをジルーが頭で繋ぎ、R・レオンがペナルティエリア左に侵入。縦に持ち出してからファーサイドに浮き球のボールを送ると、待っていたのは途中出場のアレクシス・サレマーカーズ。フリーで右足のボレーシュートを狙ったものの、シュートはわずかに枠を外れた。

 対するローマは65分、自陣でT・エルナンデスからボールを奪ったアブラハムが独走。ペナルティエリア右に侵入して横へ折り返すと、ステファン・エル・シャーラウィ、エドアルド・ボーヴェを経由して最後はペッレグリーニが狙ったが、相手のブロックに阻まれている。

 このまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム、遂に均衡が破れる。ローマは自陣右サイドでボールを奪ったメフメト・チェリクがそのまま前進。寄せてきたラデ・クルニッチをかわして中央へ繋ぐと、パスを受けたアブラハムが右足で流し込んだ。“背番号9”の今季セリエAでの8ゴール目は、勝利を決定付ける貴重な先制弾となっている。

 ミランは終了間際に窮地に立たされたが、直後のプレーで反撃へ。GKマイク・メニャンからのロングフィードは敵陣ペナルティエリア内で相手に先に触られたものの、こぼれ球にR・レオンが反応。右足で内巻きのクロスボールを送ると、ファーサイドに回り込んだサレマーカーズが右足で合わせる。GKルイ・パトリシオの股を抜く一撃で、ミランが即座に試合を振り出しに戻した。

 試合はこのままタイムアップ。アブラハムの先制弾まで両チーム枠内シュート0という寂しい数字となった一戦は、最後の最後に両チームが1点ずつを挙げ、ドローで終了した。現時点で両チームの順位に変化はないが、今節6位のインテルが白星を飾ると、3チームが勝ち点で並ぶこととなる。

 次節は3日に行われ、ローマは敵地でモンツァと、ミランはホームでクレモネーゼと対戦する。

【スコア】
ローマ 1-1 ミラン

【得点者】
1-0 90+4分 タミー・アブラハムローマ
1-1 90+7分 アレクシス・サレマーカーズミラン