佐久間宣行がプロデュースするDMM TVオリジナルバラエティー“地上波では放送できない”コント番組「インシデンツ」への出演など、昨今注目度が上がっている松竹芸能所属のピン芸人・みなみかわ。数年前から俳優の天海祐希が好きな芸人の一人として名を挙げ、千鳥・大悟も一目置いている彼は、独特のオーラを放つ風貌、個性の強さや芸風はもちろん、SNSのダイレクトメール(DM)を使って多方面にオファーする“みなみかわの嫁”の存在など、他の芸人にはない独自のポジションを築きつつある。そんなみなみかわの経歴を紹介する。

【写真】モデル級の着こなし!おしゃれなみなみかわ

ロシア武術・システマの使い手

作家志望で松竹芸能タレントスクール大阪校に入学したみなみかわは、2005年7月に吉田寛とお笑いコンビ“ピーマンズスタンダード”を結成。韓国アイドルのバックダンサー「ペ」に扮(ふん)して韓国あるあるを披露する“アイヒマンスタンダード”として「あらびき団」(TBS系)や「エンタの神様」(日本テレビ系)に出演したり、ロシア武術「システマ」の使い手として、どんなに殴られても呼吸法を駆使してダメージを失くす芸など、いろんなことにチャレンジしている。

2019年2月、相方が芸人を引退するということで、コンビを解散し、ピン芸人“みなみかわ”として活動をスタート。ここからが本領発揮背水の陣という状況になったみなみかわは、所属事務所の松竹芸能に対して“ここが変だよ”と思うところをズバズバ言ったり、事務所を辞める芸人が相次いだこともあって、“もう二度と松竹を辞める人間を出したくない”という思いから、辞めそうな人を引き止めるYouTube企画「もう二度と松竹を辞める人間を出さないでおこうTV」(「小川のせせらぎTV」)の配信を行うなど、一つのスタイルを確立。

ちなみにYouTube「みなみかわチャンネル」では、芸人の解散報告ツイートを見て芸人たちの感情を推察する動画や「爆誕!Galaxy芸人!」など、個性豊かな動画を公開している。

■“みなみかわの嫁”が大きく後押し

そしてヒコロヒーとの即席ユニット「ヒコロヒーとみなみかわ」で「M-1グランプリ」にも出場し、2019年は3回戦、2020年と2021年は準決勝まで進出。そんなみなみかわを力強く後押しするのが“みなみかわの嫁”だ。Instagramで「みなみかわ応援アカウント」を開設して、東野幸治、千原ジュニアをはじめ、多方面にみなみかわの出演依頼交渉を行ったことが注目された。そして2022年6月には「佐久間宣行のNOBROCK TV」に“みなみかわ夫妻”として2人そろって出演。これも出演依頼のDMがきっかけだった。

動画の中で、東野はみなみかわが世に出るきっかけとなった「あらびき団」、千原は“システマ”の流れを作ってくれた「ざっくりハイタッチ」、佐久間は「ゴッドタン」でお世話になっている、というふうにDMを送った中でも優先順位があったと明かしている。その理由を聞いた佐久間が「“おまえら、みなみかわをちゃんと売れなかったな”っていうこと?」と真意を推察し、“カツアゲ系YouTuber”と驚愕(きょうがく)する。それに対して、みなみかわの嫁は「お世話になった方のところを“聖地巡礼”してるんです」と釈明している。

■佐久間が手掛けるコント番組「インシデンツ」に出演

そんなことも含めて面白がられて、佐久間が手掛けるコント番組「インシデンツ」にさらば青春の光、ヒコロヒーと共に主要キャストとして出演。DMM TVのバラエティー第1弾ということで期待値と注目度が高い中、配信されるとすぐに大きな反響があった。見どころも多いが、個人的にはたんぽぽの川村エミコと共演したコントが特に印象強く残っている。

DMM TVでもう一つ大きな反響があったバラエティー番組として「水曜日のダウンタウン」(TBS系)などで知られる藤井健太郎氏が手掛ける「大脱出」がある。安田大サーカスクロちゃんをはじめ、芸人たちがいろんなシチュエーションに放り込まれ、そこから脱出するという“脱出系バラエティー”だ。

みなみかわはお見送り芸人しんいちとの組み合わせで閉じ込められ、部屋の中には緑の公衆電話があり、与えられているのはテレホンカードのみ。2時間ごとに50度数のカードが1枚支給されるが、電話をかけた相手に伝えるのがもたついてカードの度数がどんどん減っていき、険悪なムードに…ということが頻繁に起こっていた。

「大脱出」で、みなみかわが電話をかけた相手として“みなみかわの嫁”も出演しており、その時のやりとりもぜひチェックしてもらいたい。その“みなみかわの嫁”は、3月21日に合同会社ナンセを設立したことを発表。“宣伝隊長”としてますますみなみかわの売り込みに力が入りそうだ。

◆文=田中隆信

みなみかわ/※提供写真