白い巨塔』など多くの人気ドラマを生み出し、WOWOWでは「連続ドラマW」の第1弾となった『パンドラ』も手掛けた脚本家・井上由美子。このヒットメーカーが新たにオリジナルストーリーを紡いだWOWOW『連続ドラマW フィクサー Season1』の放送・配信が開始された。

本作のテーマは、タイトルどおり“フィクサー”。その言葉を英和辞書で引いてみると「(ときに不正な手段を用いる)調停人、まとめ役、黒幕」、ウィキペディアでは「政治・行政や企業の営利活動における意思決定の際に、正規の手続きを経ずに決定に対して影響を与える手段・人脈を持つ人物」などと記されている。いずれの記述にも違法行為を連想するような不穏な表現が並ぶが、本作でこの“フィクサー”となる男が、唐沢寿明演じる設楽拳一だ。

本作での設楽のファーストシーンは刑務所。刑期を終え出所する場面なのだが、なにやら不敵な笑みをたたえながら、待ち構えていた部下らしき寡黙な男の車に乗り込んでいく。折しも、日本社会は現職総理大臣が謎の自動車事故で意識不明の重体となってしまったことで大混乱。次期総理の座を狙って政治家たちが右往左往する中で神出鬼没なムーブを見せる設楽は、野心あふれる官房長官、総理に忠誠を誓う秘書官、事故の真相を探る刑事や新聞記者らにいとも簡単に接触し、どこからか入手した情報を小出しにしながら、巧妙に人々を操り動かしていく。

唐沢寿明が演じる“フィクサー”設楽拳一

見事な人心掌握術を見せる設楽とははたして何者で、なぜ服役していたのか、そして何を目的としているのか。放送済みの第1話ではまだ謎めいていた設楽像だが、第2話では、おぼろげながらその輪郭が見えてくる。カギとなるのは、長年日本政界を牛耳っている本郷という男。与党・民自党のナンバー2、副総理の須崎ですらアゴで使う大物で、設楽が“若手フィクサー”だとすれば、本郷は“フィクサー界の重鎮”。どうやらこのふたりには過去に因縁があったようで、支配下の人物を後継総理に仕立てようとする本郷に対し、設楽はそれを阻むように暗躍していることが分かってくるのだ。

“フィクサー界の重鎮”本郷を演じるのは西田敏行。副総理の須崎は小林薫が演じる。

“ときに不正な手段を用いる”フィクサーどうしが対立したら、いったいどんなえげつない攻防が繰り広げられることになるのか。まさにフィクサーvs.フィクサーの下克上バトル、その火ぶたが落とされる第2話は本日4月30日に放送・配信される。

『連続ドラマW フィクサー Season1』(全5話)

放送:毎週日曜午後10:00【WOWOWプライム】【WOWOW4K】
配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信 [無料トライアル実施中]【WOWOWオンデマンド】

脚本:井上由美子
企画・プロデュース:青木泰憲
監督:西浦正記
音楽:得田真裕
プロデューサー:村松亜樹 髙田良平 黒沢淳
アシスタントプロデューサー:廣瀬眞子
制作協力:リオネス 製作著作:WOWOW

出演:
唐沢寿明
藤木直人 町田啓太 小泉孝太郎 要潤 吉川愛 斉藤由貴
駿河太郎/西田敏行(特別出演)/永島敏行 富田靖子 陣内孝則 内田有紀 小林薫

WOWOW『連続ドラマW フィクサー Season1』より