アウトローなヒーローチームの活躍を描く人気シリーズ第3作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』が5月3日(水・祝)より公開される。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の32作目となる本作で、新たに登場するのがアダム・ウォーロックだ。詳しいことが明かされていないこのキャラクターは、はたしてヒーローなのか?それともヴィランなのだろうか?

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■コミックスでは超重要ヒーローとして活躍!

1967年のコミックス「ファンタスティック・フォー #66」に初登場したアダム・ウォーロックは、世界征服を企む悪の科学者集団“エンクレイヴ”によって生みだされた人造生命体で当初の名前はHim(彼)。完璧な存在として誕生した彼は、悪に加担しまいと創造者たちに謀反を起こし、研究所から逃亡して宇宙を彷徨っていく。

ソーとの戦いなど紆余曲折を経て、ハイ・エボリューショナリーという天才科学者に保護されると「ウォーロック」の名とソウルジェム(ストーン)を与えられ、彼の造った惑星カウンターアースの危機を救うべく奮闘。カウンターアースの人々から「アダム」の名前を授けられると、その後は闇堕ちした未来の自分=メイガスとのバトルも経験した。

自由自在に宇宙空間を飛行できるうえ、天才的な頭脳を備え、さらに傷を負えば繭の中に入って自己再生も可能。極めつきは、ソウルジェムを持つため肉体が死んでも本質的には死なないというチート能力まで持つ、もはや神に近い立ち位置のヒーローとして描かれてきた。

MCUでも語られた指パッチン騒動を描いたコミックスでは、打倒サノスの鍵を握る重要なキャラクターとして存在感を発揮。ゆえに『アベンジャーズインフィニティ・ウォー』(18)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)での活躍もファンからは期待されたが、脚本家のクリストファーマーカススティーヴン・マクフィーリーによると「新しいキャラクターに多くのスペースを割きたくなかった」そうで、登場は叶わなかった。

MCUにはすでに名前だけ登場していた!

メイガスとの戦いではガモーラと共闘し、対サノス戦ではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーにも加わるなど、コミックスではガーディアンズの面々と近しい関係を築いてきた。しかし、ウィル・ポールターが演じる映画のアダムは、ジェームズ・ガン監督曰く「アダム・ウォーロックは絶対に善人ではない」そうで、ヴィランとしての登場が匂わされている。

というのも、実はアダムは、前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17)のポストクレジット映像にて登場済み。ガーディアンズの敵であるアイーシャ(エリザベス・デビッキ)の口から、「ガーディアンズをも抹殺できる“子ども”」と語られ、彼が力を蓄えている出産ポッドが映しだされていた。

さらに本作には、ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)を改造したヴィランとしてハイ・エボリューショナリー(チュク・イウジ)が登場することが確定しており、予告映像では彼の「焼き払え」という言葉のあとに、アダムが宙を舞って破壊の限りを尽くしているように見える描写やドラックス(デイヴ・バウティスタ)と戦っているシーンも。コミックス版でのエンクレイヴの流れを考慮すると、アイーシャから悪として利用されることを拒み逃げだしたところ、ハイ・エボリューショナリーと出会い…という展開も考えられそうだ。

■もしかしたら、死んだガモーラが復活するかも…?

またアダムを語るうえで外せないのが、額に埋め込まれたソウルジェム(ストーン)の存在。原作でソウルジェムは、ソウルワールドと呼ばれる空間にあらゆる魂を封じ込めたり、転生させたりという絶大な力を発揮していた。

アベンジャーズインフィニティ・ウォー』では、ソウル・ストーンを手に入れるために、サノス(ジョシュ・ブローリン)が愛娘のガモーラ(ゾーイ・サルダナ)を手にかけるという悲劇が描かれたが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』では、このガモーラの死に関してなにかしらの展開が訪れる可能性もありそうだ。

とはいえ、ソウル・ストーンは『アベンジャーズ/エンドゲーム』のラストでキャプテン・アメリカ(クリスエヴァンス)が元あった過去に返しに行ったはず…。はたしてアダムの額に埋め込まれているのはソウル・ストーンなのか?そこも気になるポイントだ。

いずれにしても、原作とは異なる物語が語られるMCUだけに、このキャラクターについても大方の予想を裏切ってくるはず。どうなるかは劇場で見届けたい。

文/サンクレイオ翼

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』で本格参戦のアダム・ウォーロックってどんなキャラクター?/[c] 2023 Marvel