コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は雑誌『くらげバンチ』にて「女性に風俗って必要ですか?」などの漫画を連載中の漫画家・ヤチナツさんの作品「婦人科おばちゃんパワー」を紹介する。独自の視点から日常のさまざまなできごとをブログなどで漫画にしているヤチナツさんだが、同作のテーマは婦人科で受診した際に触れた“とあるパワー”。3.1万いいねを獲得するなど、多くの共感を集めたオチが絶妙だ。

【漫画】テーマパーク化待ったなし…共感力と言葉選びから感じた「おばちゃんパワー」の癒し

■辛い時にこそ心に沁みる“おばちゃんパワー”

生理不順と不正出血が気になり、婦人科へ赴いたヤチナツさん。初めてかかった婦人科だったが、「予約の電話しなくてよかったならもっと早く来ればよかったな~」と仕事をしながら待っている時だった。

思ったより早いタイミングで呼ばれたヤチナツさんは、診察前にちょっとした問診を受けることに。初診あるあるなので、定番のやり取りがスムーズに交わされていく。同じ病状について他病院で受診したことがあるのかを聞かれている時、ヤチナツさんは「調子が悪くて行っても『3カ月基礎体温をつけてから出直してこい』という感じで」と婦人科でありがちなハードルの高さをポツリ。

すると話を聴いていたおばちゃん看護師から、「うんうん出来ないよねぇ。口からポロっと外れちゃったりしてねぇ」と共感の言葉が。さらにヤチナツさんが「でも今回は体温計とアプリ連携のやつでようやくつけることができて…」と近況を打ち明けたところ、「あら!!それは素晴らしいことです!!アプリで!!まあ!!今日お持ちなの⁉すごい!」などと雨あられのごとく賞賛が降り注いだのだった。

その後も数々のおばちゃんに優しく接してもらったヤチナツさん。病院といえば当然体が辛いタイミングに行くものであるため、「妊娠出産もそうだし、不妊治療とかでもつらい思いをしてるとき、あの優しさほんとに救われるだろうな~」と“おばちゃん力”のパワーが多くの人に必要なのではと思い至ったそうだ。そのため最後に思いついた妙案を旦那さんにアンケートしてみるが…。

同作には「まさに今、おばちゃんパワーが必要です…」「首がもげるほどうなずいた。優しい言葉をかけてくれるおばちゃんは、全人類に必要不可欠」と共感のコメントが多数寄せられている。

■「おばちゃん力」の素質は女性に限らず持っているもの

――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。

「世話焼きで優しいおばちゃん」に感動したので、記録しといた方がいいと思ったからです。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

最初に出てきたおばちゃんのダーーーーっと言葉が溢れて止まらない感じですかね。本当はもっとパワフルでした。

こちらが言ったフレーズを「ではその言葉を頂戴しまして〇〇ということですね」とか、そんなこといちいち言う?みたいな細かい魅力ポイントも描けたらよかったんですが、マンガ的に情報が多すぎてもな…と割愛しました。

――今回ストーリーにされた婦人科は、どのような経緯で知ったのでしょうか。

近所だったのと、予約しなくてよかったからです。

電話をかけるのが本当に嫌で、電話するくらいなら3時間でも4時間でも待ちます。(5、6時間待つなら電話するかも)

でもサイトをよく読んでなくて、勝手に予約電話しなければならないと思い込み、病院に行きたいな!と思ってから何ヶ月も経っていました。予約なしでいいと気付いてよかったです。

――その後もこの婦人科には通われているのでしょうか。

通ってますね。家から遠い大きい病院を紹介してもらったりしてます。早く近所の小さめのとこに戻りたいです。

――自分に合うクリニックを見つけるのは大変ですが、ヤチナツさんが思う“良いクリニックに外せないポイント”はなんでしょうか。

大変なんですか…

調子が悪い時だけ病院に行って、治らなかったことはないのでそんなに良し悪しを気にしたことはなかったです。都内に住んでいて、事前に口コミが見られて、たくさん選べるから困ったことがないのかもしれません。

今のところは単純に

・通いやすい距離かどうか

・予約しなくていいかどうか

ですかね。

でもさすがに先生が感じ悪かったらもう行かないと思うので

・感じの良さ

も追加します。

――旦那さまにはクールに断られてしまいましたが、おばちゃんパーク構想は他のご友人などから賛同を得られましたか。

友達にわざわざ話したりはしてませんが、SNSでは賛同の声が多かったです。

「おばちゃんパークで働きたい」とコメントをもらえたのは嬉しかったです。

「おばちゃん」は素質なので、ある程度歳を重ねた女性がみんな「おばちゃん」になれるわけではないです。若い男性でもおばちゃん力が高い人もいます。

私は素質がないので、おばちゃん力が高い人たちを見ると嬉しいし、明るい未来を感じます。

――今後の展望や目標をお教えください。

描きたいことを後回しにせず、且つ

目の前の仕事を粛々とやることです。そして節税。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

いつも読んでくださる皆さま、紙・電子で本を買ってくださる皆さま、

面白いよと周りにおすすめしてくださる皆さま、本当にありがとうございます。

おかげさまでマンガ家になって3年目に入りました。違和感なく日々を過ごせることがどれほどありがたいことか、噛み締めながら今後も元気にやっていきます。

「20時過ぎの報告会」や「女性に風俗って必要ですか?」などの連載作を引き続きお楽しみください!

ブログ「ヤチナツマンガ」では今回取り上げていただいたような日常の何でもないマンガを気まぐれにあげています。面白いマンガに疲れたらこういう平坦なマンガで休憩していってください。

心に染み入る“おばちゃん”の優しい言葉「婦人科おばちゃんパワー」