2000三振も大打者の証、今年で40歳を迎えるもまだまだパワーは健在な中村(C)CoCoKARAnext

 「おかわりくん」の愛称で親しまれる、西武中村剛也選手(39)が4月29日楽天戦で、日本プロ野球史上初の通算2000三振を記録した。「これからも三振しないように頑張ります」とおちゃめなコメント。小さくまとまらず、積み重ねてきた豪快な空振りは、強打者としての勲章でもある。

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【通算三振】
(4月29日時点)

1 中村剛也 2000 (1973試合)
2 清原和博 1955 (2338試合)
3 谷繁元信 1838 (3021試合)
4 山崎武司 1715 (2249試合)
5 秋山幸二 1712 (2189試合)
6 金本知憲 1703 (2578試合)
7 新井貴浩 1693 (2383試合)
8 中村紀洋 1691 (2267試合)
9 ローズ  1655 (1674試合)
10衣笠祥雄1587 (2677試合)

 中村はプロ22年目で出場1973試合、7706打席目での大台到達。特徴として、試合数が少ない。「三振率」で見ると「約4打席に1度」は三振している計算になる。昨年7月6日清原和博が持っていた通算1955三振を抜いたが、その清原でも「約5打席に1度」。いかに中村が三振を恐れず、フルスイングしてきたかがわかる。

 現役だと松田宣浩(巨人)の1519三振(4月30日時点)が2番手で、中村の記録が突出している。破られる可能性が低い記録といえば、通算満塁本塁打でも中村は22本でトップを独走。三振もするが、本塁打も放ち、満塁ではめっぽう強い。ホームランアーチストを証明する堂々の「2冠王」として歴史に名を刻む。

【通算満塁本塁打
(4月29日時点)

1 中村剛也  22本
2 王 貞治  15本
3 藤井康雄  14本
3 中村紀洋  14本
5 駒田徳広  13本
5 江藤 智  13本
5 小久保裕紀 13本
5 井口資仁  13本
9 野村克也  12本
9 江藤慎一  12本

 本塁打王を6度獲得した中村も、近年はケガもあって本数が減少傾向にあった(20年9本、21年18本、22年12本)。ところが40歳を迎える今シーズン、中村のバットが輝きを取り戻している。2000三振した29日に通算460号を放ち、翌30日には3試合連発を記録。4月終了時で7本塁打は、リーグトップ8本のオリックス杉本に次ぐ2位。年間では42本ペースと好調なスタートを切った。

 自らを「動けるデブ」と呼び、お相撲さん体型のパワーが注目されがちだが、技術の高さには定評がある。三冠王を3度獲得した落合博満氏が自らのユーチューブで、理想的な本塁打を打つ現役選手として名前をあげ「打球の質とか打ち方が理にかなっているのは中村剛也。あの打ち方は他の人はマネてもいいと思う。教科書通りじゃないかな」。

 辛口の「オレ流」にも認められるホームランアーチスト。高い技術があるからこそ、打球を飛ばすことができる。三振を恐れないから、1発が生まれる。不惑を前に復活の予感が漂う中村に、本塁打王の「おかわり」を期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「打球の質とか打ち方が理にかなっている」と球界レジェンドも認めた西武・中村剛也の「凄さ」とは