昼食、夕食、お酒を飲んだ締め……と、いつでも気軽に食べられる麺料理。ツルッとした喉越しが好きなのは、日本も韓国も同じです。
そこで今回は、冷麺やビビン麺、ドラマでもよく登場するジャージャー麺など、韓国在住歴のある筆者がおすすめする絶品「麺料理」を4軒ご紹介します。
1000ウォン＝およそ100円
辛いけどクセになる通称赤い冷麺！『トンアネンミョン』の「ムルネンミョン」
ソウル駅の隣駅、地下鉄4号線「淑大入口駅」から徒歩5分の場所にある『トンアネンミョン』。学生街にあり、その安さから学生人気の高い冷麺専門店です。弘大や梨泰院などにも支店があります。メニューは「ムルネンミョン（水冷麺）」、「ビビンネンミョン（ビビン麺）」「マンドゥ（蒸し餃子）」の3種類のみ。氷が入った冷たい「ムルネンミョン」をいただきます。一般的なムルネンミョンは、辛味のない優しい味わいですが、ここの冷麺は一味違います。
酸っぱすぎず甘すぎない爽やかなスープをベースに、麺の上に乗る赤いタレを混ぜて辛味を足していきます。全部混ぜると結構辛いので、辛いのが苦手な人は控えめに。食べる毎に口の中がヒーヒーしてきますが、ただ辛いだけではなくスープの甘さと混ざり合い、クセになる味わいを楽しめます。
お腹に余裕がある人は「マンドゥ」もいっしょにどうぞ。日本の餃子を少し大きくしたような形で、多くの麺料理専門店ではサイドメニューとして提供しています。細かく切った肉やニラ、春雨などの餡がたっぷりと入っていてジューシー！
咸興式冷麺の老舗『威興コムボ冷麺』の「ビビンネンミョン」
ナイトショッピングが楽しめる東大門から徒歩圏内、鐘路（チョンノ）にある『威興コムボ冷麺』。ジュエリーなどを販売する世運スクエアというビルの4階にあります。テナントで働く人の利用が多く、お昼時には混雑します。
韓国語の発音でネンミョンと呼ばれる冷麺。そのルーツは北朝鮮の平壌と咸興（ハムン）と言われていて、麺を作る材料が異なります。平壌冷麺はそば粉や小麦粉を、咸興冷麺はじゃがいもやとうもろこしなどのでん粉を使っています。より、コシがあって弾力があるのが咸興冷麺で、今回紹介する「ビビンネンミョン」も咸興式です。
テーブルにはさみが置いてあるので、ザクザクと麺をハサミで切った後に、全体をしっかりと混ぜていただきます。真っ赤なスープに見た目から辛そうですが、後味にコクや甘さも感じます。卓上に置いてあるお酢とカラシで味変しながら楽しみましょう。
Netflix出演の人気店！『コヒャンソンカルグクス』の「ソンカルグクス」
東大門からほど近い在来市場「広蔵市場（カンジャンシジャン）」。うまいもん通りと呼ばれる屋台フードが集まる通りにあるのが『コヒャンソンカルグッス』です。70番と書いてある看板が目印です。
Netflixの『ストリートグルメを求めて』で紹介された店で、その味を楽しみに国内外から多くの人が訪れます。筆者もコロナ禍に鑑賞し、渡韓できるようになったタイミングで一番行きたかった店でもあります。
「ソンカルグクス」とは手打ち麺のこと。カウンターから麺を切ったり茹でたりする様子を眺められます。大忙しなので、麺の太さがバラバラなのはご愛嬌。喉越しの良いチュルチュル麺にほっこりする出汁の味わい、香り豊かな海苔がアクセントになっています。飲んだ後の締めに食べたくなる一杯。番組に出ていたおばちゃんの笑顔にも癒やされるお店です。
韓国で人気の料理研究家が経営するチェーン店！『香港飯店0410PLUS＋ 明洞店』の「チャジャンミョン」
数々の料理番組に出演し、外食チェーンを多く手掛ける料理家・ペク・ジョンウォン氏プロデュースの韓国式中華料理店。人気中華チェーンなので、いろんなところにありますが、明洞観光の合間に行けるのが『香港飯店0410PLUS＋ 明洞店』です。
韓国語でジャージャー麺の意味の「チャジャンミョン」。韓国ドラマにもよく登場する韓国式中華の代表格です。箸を両手に1本ずつ持って、ソースと麺をかき混ぜるのが韓国流。見た目から醤油やソース味を想像しますが……豚肉、玉ねぎ、ネギなどを黒味噌で炒めており、甘辛くて香ばしい味わいが特徴です。
毎年4月14日はブラックデーと呼ばれ、バレンタインデー、ホワイトデーを経ても恋人のいない人が黒い服に身を包み、チャジャンミョンを食べるのが風物詩となっています。
（撮影・文◎加藤あやな）
コメント