育成の星としても知られる宇田川(C)CoCoKARAnext

 日本中に感動の嵐を巻き起こしたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。1次ラウンドから決勝戦までどの試合も見どころ満載だったが、中でも村上宗隆サヨナラ打と劇的な幕切れとなったメキシコとの準決勝戦は特に印象に残る試合だっただろう。

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 そんなメキシコとの一戦において重要となった「投手起用」について、今大会は侍スタッフとしてブルペン捕手として世界一に貢献した鶴岡慎也氏が大会中の取材、評論を務めた五十嵐亮太と共に「WBC激闘の舞台裏」を語ったYouTubeチャンネル「スポーツナビ野球チャンネル」が現在、公開されている。

 決勝戦進出をかけた大事な試合、先発投手を任されたのは、佐々木朗希投手(21・ロッテ)だった。

 佐々木朗は序盤から160キロを計測するなど、剛腕を披露するものの、3ランを浴び4回5安打3失点で降板。

 続く2番手には、山本由伸投手(24・オリックス)がマウンドへ上がった。

 この試合、負ければ終わりとなる試合とあって、佐々木朗の調子次第では、スクランブルで登板する投手が準備をしなければならないケースがある中で、山本は2番手で登板となった。

 この点、鶴岡氏は「(山本が2番手だったのは)回の頭からの登板になったので。もし回の途中からリリーフで誰かとなったら、宇田川優希投手(24・オリックス)が常に準備していましたね」と、状況に応じて登板する選手の役割を明確にしていたことを明かした。

 また、山本の後を受けて登板した湯浅京己投手(23・阪神)、大勢投手(23・巨人)についても「予定通り」とコメント。

「イニング途中だったら湯浅投手がいき、その後は大勢投手。万が一、湯浅投手に何かあった際には、宇田川投手が行っていましたね。宇田川投手は大会を通じてバックアップをしてくれていましたし、今回肩を作った回数は1番多いんじゃないですかね」

 と、今大会を通じて話題に上がることが多かった宇田川のタフさや、貢献度の高さについて語った。

 宇田川は昨シーズンは育成スタートながら、シーズン途中に支配下登録を勝ち取ると、150キロ後半の直球とファークを武器に、日本一に輝いたチームの欠かせないピースとなった。世界一に到達する過程には、多くの選手の「陰の貢献」が大きかったことがわかるエピソードとなっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「1番多く肩を作ったのは・・・」侍スタッフ ・鶴岡慎也氏が明かすWBC投手継投の裏側