突然出来た空き時間を、何に費やそうか考えている人も多いのではないだろうか。そこでオススメなのが、書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」。約200万冊のラインナップの中には、漫画に実用書にビジネス本など、ありとあらゆるジャンルが含まれている。空き時間のお供として「Kindle Unlimited」で読める漫画10選を紹介する。

『瓜を破る』(板倉梓/芳文社)

■コスプレギャルと職人気質な青年のラブコメコミック!

その着せ替え人形は恋をする」(福田晋一/スクウェア・エニックス

雛人形の顔を作る「頭師」を目指して修業中の男子高校生五条新菜は、趣味嗜好が合わないせいでクラスに馴染めていなかった。そんなある日、「すっごーい!ごじょー君ミシンできる人なの!?」と声をかけてきたのは、いつもみんなの中心にいるギャル系美少女の喜多川海夢。実は彼女、アニメや漫画が大好きなコスプレイヤーなのであった――。ふたりの甘いスクールライフも見どころだが、意外と知られていないコスプレイヤーの苦労にも焦点を当てた作品である。

■「境界知能」に真っ向から向き合った社会派漫画

「ケーキの切れない非行少年たち」(鈴木マサカズ:漫画、宮口幸治:原作/新潮社

IQ71以上85未満の人達を指す「境界知能」という言葉を知っている方は、どれほど居るだろうか。「ケーキの切れない非行少年たち」(鈴木マサカズ:漫画、宮口幸治:原作/新潮社)は、少年院に送致された非行少年達が抱える根深い問題や「境界知能」の闇に迫った漫画である。知的能力や認知機能が低いため、ケーキを3等分に分けられない非行少年達と、本作の主人公で少年院の精神医療に勤しむ六麦克彦がどう向き合っていくのか。シリーズは累計150万部を突破し、ドキュメンタリードラマ化も決定した話題の作品にぜひ触れてみてほしい。

※5/7現在では第2巻がKindle Unlimited対象

■ささやかな幸せが感じられる、ほのぼのホームコメディ漫画

「転がる姉弟」(森つぶみ/ヒーローズ

父の再婚が決まり、小学生の弟が家族に加わることになった。女子高生宇佐美みなとは、期待に胸を膨らませ対面してみるも、やってきた弟・光志郎は想像とは違っていた。みなとは勝手に失望した自分に嫌気が差すも、気を取り直して光志郎と再度コミュニケーションを図ってみるのだが――。姉弟のほのぼのとしたやり取りに自然と心が和らいでしまう。ささやかな幸せってこういうものだったなと思い出させてくれる、ホームコメディ漫画である。

■“女児向けアニメ”好きのオタクとギャルふたりのラブコメ作品!

オタクに優しいギャルはいない!?」(魚住さかな:漫画、のりしろちゃん:原作/ゼノンコミックス)

オタクの瀬尾卓也はある日、クラスのギャルふたり組、天音さんと伊地知さんに消しゴムを貸してくれと頼まれる。しかしその消しゴムは“女児向けアニメ”「キラモン」がデザインされたものであった。それを見た天音さんは「見てコレぴかちゅー」とキャラクター名を間違えると、オタクの性なのか、ついつい瀬尾は「ケッピィです」と訂正してしまう。すると、何故か伊地知さんは「キラモン」のコアなファンしかわからない説明を口にしてしまい、オタクなのではないかという疑問が瀬尾に生まれてしまう。ギャルっていいなと思わずにはいられない、オタクミーツギャルなスクールカーストラブコメ作品。

■女中と雇い主のほっこりするストーリーは必見

「うちのちいさな女中さん」(長田佳奈/コアミックス

かつて、日本人女性の一大職業であった「女中」は、いわゆるお手伝いさんのことを指す言葉である。「うちのちいさな女中さん」(長田佳奈/コアミックス)は、その彼女達が特に活躍した昭和初期を舞台に、14歳の女の子・野中ハナが、翻訳家の蓮見令子の女中として働く日々を描いた物語。初めは、ハナの若さに驚いていた蓮見も、話が進むごとに関係が深まっていく。雇い主と女中の心温まるエピソードは必見だ。

■楽しい気分になりたいときにオススメ!

海月姫」(東村アキコ/講談社

「東京タラレバ娘」などで知られる東村アキコ氏の漫画「海月姫」(東村アキコ/講談社)。2010年に第34回講談社漫画賞少女部門を受賞すると、テレビアニメ化に実写映画化、そして俳優の芳根京子が、主人公の倉下月海を演じたことでもお馴染みのテレビドラマ版も放送された。ストーリーは、クラゲオタクの月海と女装男子の鯉淵蔵之介が、オタク女子ばかりが集まる男子禁制アパートの住人達とともに、ファッション業界で奮闘するという内容。コメディ要素もあるため、とにかく笑いたいという人にはオススメしたい作品である。

■30歳を超えても処女……幸せな性行為を迎えられるのか

「瓜を破る」(板倉梓/芳文社

「瓜を破る」(板倉梓/芳文社)は、30歳を超えても未だ処女であることにコンプレックスを抱える、ごく普通の会社員・まい子を主人公とした物語。性行為への関心や不安を繊細に描き出した本作に、共感を覚える人も少なくないはず。そして性行為を経験してもなお、悩みが尽きない人も作中には登場する。性経験がある者とない者の対比にも注目してもらいたい。

■歪な家族関係を書いたノンフィクションの著書を漫画化

『「子供を殺してください」という親たち』(押川剛:原作、鈴木マサカズ:作画/新潮社

衝撃的なタイトルでさまざまなメディアにも取り上げられた『「子供を殺してください」という親たち』(押川剛:原作、鈴木マサカズ:作画/新潮社)。本作は、日本初の説得による精神障害者の移送サービス「トキワ精神保健事務所」を始めた、押川剛氏の著書を漫画化したもの。精神疾患などで親に対して牙を剥く子ども達。しかし、元を辿ればその原因を作ってしまったのは親であったというケースも少なくない。そんな歪な関係を築いてしまった家族はどうやって問題に向き合うのか。哀しき社会問題をノンフィクションで描いた本作に、色々と考えさせられる人は多いはずだ。

■自分の人生を自問自答したくなる重厚なストーリー

「死役所」(あずみきし/新潮社

死後に、自分の死について手続きをする場所「死役所」を舞台とする作品が「死役所」(あずみきし/新潮社)。イジメによる自殺や恨みによる他殺など、さまざまな理由で死んだ人々が、手続きの途中に生前について振り返っていくというストーリーである。また、死役所の職員「シ村」こと市村正道のエピソードを読むと、さらに作品に引き込まれていく。2019年には、松岡昌宏さん主演でドラマ化もされた本作。読めば、自分の人生とは何なのだろうかと、思わず自問自答したくなってしまうだろう。

■年収3000万円のハイスペックな彼氏のためにどこまでも堕ちていく女

「俺たちつき合ってないから」(宮崎摩耶:原作、山崎智史:作画/竹書房

年収3000万円超えのハイスペックな彼氏のために、昼は声優業、夜は水商売を掛け持ちする、ゆりか。彼のために働くのは全く苦ではない。なぜなら、ハイスペックな彼氏が居ることで、周囲の女を見下し優越感に浸れるからだ。ゆりかはバイト仲間や同級生、金のない男としか付き合ったことがない。だから金があるハイスペックな男に飢えている。そしてやっとハイスペックな彼氏と付き合えたと思ったのだが、実は彼、ドが付くほどのクズ男だった――。果たしてゆりかは幸せになれるのだろうか。ぜひ本作を読んで、その結末を見届けてほしい。

「Kindle Unlimitedの読み放題マンガ10選」