今週から毎週火曜日(変則日程の週は変更あり)にオリックス・バファローズの1週間を振り返りつつ今後の展望をまとめた週刊バファローズをお届けする。
4月11日以降、負け越しがないオリックスはゴールデンウィークに入ってからも好調を維持。4月28日から行われた千葉ロッテマリーンズとの3連戦(京セラ)を勝ち越し、数多く詰めかけたファンを喜ばせた。チームは勢いに乗って福岡に乗り込む。
■2023オリックス・バファローズ戦績 5.2-5.7
対 福岡ソフトバンクホークス / 福岡・福岡PayPayドーム
5.2 ○オリックス(宮城)1-0(大関)福岡ソフトバンク●
5.3 ○オリックス(田嶋)9-4(武田)福岡ソフトバンク●
5.4 ●オリックス(小野)7-8×(和田)福岡ソフトバンク○
※(カッコ)内は先発投手。
※通算成績はオリックス18勝12敗の首位。2位の福岡ソフトバンクとは2ゲーム差。(2023.5.7現在)
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■ソフトバンク地元で初戦勝利
前回、京セラドーム大阪で行われた3連戦では、オリックスがエース山本由伸の登板試合以外の2試合を圧倒された印象で勝ち越した福岡ソフトバンク。今度はソフトバンクの地元である福岡で3連戦が組まれた。
連日満員御礼の中、初戦のオリックスは前回登板で自己最短の1回2/3で降板した宮城大弥が先発。
ソフトバンクは主力の大関友久が登板し、左腕対決に。両投手ともに好投を繰り広げる中、5回、オリックスは一死満塁の場面から森友哉の犠牲フライで先制すると、8回まで宮城が無失点に抑えて、最終回は守護神の平野佳寿が1点差を守った。
■宮城は「いいテンポで投げられた」
試合後、宮城は「一人ひとりにいいボールを投げることを意識していましたし、前回の失敗があったので、それを繰り返さないように一生懸命投げました。野手の皆さんが上手くカバーしてくれて、いいテンポで投げられていたので、本当に感謝したいと思います」とコメント。
頭でソフトバンク打線を封じ込めたのは大きい。また1週間でしっかり修正して来た宮城は負けなしの3勝目をマーク。今週も期待したい。
■中嶋監督はさらなる得点に期待か
2戦目は打線が22安打9打点の猛攻を見せて先発の田嶋大樹を援護。
試合後、中嶋監督は、「今日は、みんなヒットはよく出ましたね。それでも積極的に先の塁に進むこととか、打球判断とか走塁に関して、いろんなところにまだ注文はありますね。打つこととして、最後まで雑にならずに攻撃はできたことはいいと思いますけど」と安打の数に比べるともう少し点があってもいいと思っている様子だった。
3戦目も打線が7打点と大爆発も延長11回、平野佳が無死一、二塁のピンチから栗原陵矢にサヨナラ打を打たれて敗れたもののカード勝ち越しに成功。対戦成績を五分にした。
■「ペーター」が活躍
前日の延長サヨナラ負けの疲労が心配される中、チームは本拠地に戻り埼玉西武との3連戦。初戦、オリックスの先発は次期エース候補の山下舜平大。山下は変化球の抜け球が目立ったものの150キロ台後半の速球で西武打線を7回無失点でねじ伏せる。
打線も6打点の擁護で、山下は宮城と並ぶ負けなしの3勝目をマーク。
試合後、山下は「途中、苦しい場面が多かったんですけど、いいところで抑えられたのでよかったです」と語り、ニックネームのペーターについて「小さいころから呼ばれているので、ファンの皆さんに呼んでもらえると嬉しいです」と笑顔を見せた。
■2戦目は劇的なサヨナラ
2戦目は山本由伸と高橋光成のエース対決。前回敗れているだけに今回は勝ちたかった山本だったが、6回にマキノンに2ランを浴びてしまい先制を許してしまう。
その後もオリックス、西武ともに点を重ねるも2点のビハインドは変わらず。しかし最終回、西武の守護神、増田達至から二死満塁のチャンスを作ると森の2点タイムリーで同点に追いつく。
さらに二死二、三塁から頓宮裕真が劇的なサヨナラ打を放ちオリックスがサヨナラ勝ちした。
■西武戦3連勝はならず
試合後、中嶋監督は「非常によくつないで、あっちまでもっていけたっていうのが大きかったんじゃないですかね。クリーンアップまで。諦めなくて最後までやっているのはあるでしょうけども、最初からいきましょう。先制、中押し、だめ押しとね。気持ちいいですね、そういうことは」と打線に早期の援護を促していたのが印象的だった。
3戦目は山岡泰輔が3点差を守れず6回に同点に追いつかれると、試合は西武ペースに。2点ビハインドの最終回1点差まで迫るも今シーズン初の同一カード3連勝にはならなかった。
■打線は絶好調だが
この6連戦、打線は絶好調なのだが、投手陣が昨年より安定感に欠けるのが気になるところ。ただ現時点で貯金6で首位を走っているのは、三連覇に向けて良いスタートを切れてると言ってもいいだろう。
今週は9日から仙台で東北楽天ゴールデンイーグルスと、12日から京セラで再び福岡ソフトバンクとの3連戦を行う。この6連戦は取りこぼすことなく、団子状態になっているパ・リーグ戦線から一歩前に出たいところ。
得意としている交流戦までにどれだけの貯金を稼げるのかが大きなポイントになる。
■著者プロフィール
どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。
音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。
横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレスやスターダム、RIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。
2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾のドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。
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