スーダンでは、2023年4月15日に首都ハルツームにおいて軍と準軍事組織の間で武力衝突が発生して以降、激化する敵対行為から逃れるために、大勢の人々が輸送手段を提供する民間業者に高額な費用を支払い、バスやトラックを使って近隣諸国の南スーダンエジプトチャド中央アフリカ共和国に移動しています。
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、生き抜くための戦いに挑んでいる子どもたちやその家族が置かれている状況が急速に悪化していることを危惧し、特に、高額な費用を捻出するために、大勢の子どもや女の子、女性たちが搾取や虐待の対象となるリスクが高まっていることに警鐘を鳴らしています。

移動中の子どもたちの保護と安全が最優先されなければなりません。プランは、家族と離れ離れになり同伴者のいない子どもたち、特に女の子や若い女性の保護と安全について強い懸念を示しています。

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、5月6日時点で約33万4000人が国内避難民となり、12万人以上が近隣諸国に避難していると推定されています。
*出典:OCHA Sudan Situation Repot  https://reports.unocha.org/en/country/sudan/

今回の紛争を通じ、人道的ニーズは刻一刻と増しています。母国から着の身着のままの避難を余儀なくされた人々は、避難所や保護、毛布、食料、水、医療支援、心理社会的ケアやサポートを緊急に必要としています。

また、スーダン国内における食料、燃料、その他の生活必需品の価格が高騰し、多くの人々が重要な物資を入手できなくなっているとの報告もあります。首都ハルツームでは、医療施設の61%が閉鎖され、通常通り営業しているのは16%のみで、数百万人が医療を受けることができない状況にあります。

戦火を逃れトラックで移動している人々 
輸送機で他国に逃れる人々

子どもたちの保護と安全が最優先に
何百万人もの子どもたちが、紛争のなか恐ろしい光景を目の当たりにしています。暴力は、身体的・心理的に深刻な影響をもたらすトラウマに子どもたちを長期間さらすことにつながり、子どもや若者の精神的な健康に大きな打撃を与えてしまいます。プランは、子どもの保護や心理社会的ケアを中心に以下の活動を実施します。

予定される主な支援活動
スーダン
・ 子どもの心理社会的ケア
・ 子どもの保護(不発弾から身を守る方法など)

周辺国(南スーダンエチオピアエジプトチャド中央アフリカなど)
・ 移動手段の提供
・ 緊急医療サービスの提供
・ 食料、水と衛生(WASH)サービスの提供
・ 保護施設の提供
・ 子どもの保護
・ 家族の再会サポート
・ 寝具、蚊帳、月経衛生キット、石けんなどの提供    


敵対行為の即時かつ完全な停止を要請

紛争が激化するなか、今なおスーダンに留まっている人々に人道支援を提供することは非常に難しい状況です。プランは国際社会とともに、敵対行為を即時かつ完全に停止することを求めています。

また、子どもの権利の推進と人道支援を行うNGOとして、紛争当事者に、国際人道法を尊重し、民間人の保護と人道支援に携わる人々の安全の確保を強く求めています。すべての人道支援団体は、支援を必要としている人々への人道アクセスの確保を許可されなければならず、このような人々への攻撃は全く容認できない行為です。


スーダンのプラン ノース・コルドファン現地事務所長ウィダア・モハメドの談話
「ノース・コルドファン州やダルフール州など、プランが活動している地域の一部では、国内避難民の家族が学校に滞在しています。プランは、これらの家族に食料やその他の重要な物資を支援してきました。しかし、私たちの最大の課題は、銀行システムが機能していないため、十分な資金を確保できないことです。そのため、さらなる対応が困難な状況に直面しています。また、燃料不足にも見舞われています。プランはまた、ポートスーダンで足止めされている人道支援のための医療品やその他の支援物資を官僚的な障害なしに速やかに配給すること、そして同国へ安全にアクセスできる場所の確保を促進することを求めています」

南スーダンのプラン プログラムディレクター フランシスオッポンの談話
スーダンから南スーダンには、3万人近くの難民たちが到着しています。そのうちの54%が女性です。約940万人が食料を必要としているこの厳しい人道危機下においては、新たな難民の流入により、これまでも苦境にあるコミュニティがさらなる不安定に直面することが懸念されます。なかには輸送を提供する民間業者が家族を引き離しているという報告もあります」

エジプトのプラン国統括事務所長デニス・オブライエンの談話
エジプトスーダンの国境付近には、あらゆる年齢層の数千人もの人々が集まり、国境を越える時機が来るのを待っているという報告が届いています。ハルツームから国境までの移動に600ドルから1,000ドルを支払っているとの報告があります」

配信元企業:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

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