脚本家、劇作家、映画監督としても知られる宮藤官九郎が、企画&監督&脚本を務めるドラマ「季節のない街」がディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」の「スター」にて、8月9日(水)より全10話一挙配信されることが決定。ティザービジュアルと宮藤によるコメントが到着した。

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本作は宮藤が長年温めてきた企画で、山本周五郎の小説「季節のない街」を映像化。この小説は、黒澤明監督が映画化し『どですかでん』(70)のタイトルで公開されたことでも知られる作品だ。誰もがその日の暮らしに追われる、裕福とはいえない“街”を舞台に弱さや狡さを隠さずにたくましく生きる個性豊かな住人たちの悲喜を紡いだ物語となっている。

この傑作小説をベースに、本作では舞台となる「街」を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失いこの「街」にやってきた主人公が「街」の住人たちの姿に希望を見出し、人生を再生していく青春群像エンターテイメントとして活写する。

宮藤が、映像作品の監督を手がけるのは映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16)以来。このたび解禁されたティザービジュアルには、壁に大きく電車が描かれた仮設住宅と、この街に住む様々な人々の暮らしている様子が垣間見える生活感あふれる物がコラージュされ、中央には、大きな「大漁旗」がたなびいている。この「街」に住む人々の力強い生命力あふれる姿を象徴する彩色豊かなデザインに仕上がっている。

本作『季節のない街』を支えるスタッフには、日本の映像界を第一線で支えるスタッフが集結。宮藤とともに、監督を務めるのは『いとみち』(21)などの横浜聡子、『ドライブ・マイ・カー(21)に監督補として参加した渡辺直樹、そして、音楽には連続テレビ小説あまちゃん」、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」など宮藤脚本の作品のほか、2022年放送のテレビドラマ「エルピス」の音楽も手がけた大友良英、撮影には『万引き家族』(18)、『ある男』(22)の近藤龍人、美術に『すばらしき世界』(21)などの三ツ松けいこ、そして衣装には多くのアーティストのスタイリングを担当し、宮藤作品にも多数関わる伊賀大介が参加している。

これまで演劇、テレビドラマ、映画にと数多くの話題作を世に送り出してきた宮藤官九郎。自ら企画も務めた配信ドラマで、どんな世界を見せてくれるのか、続報を期待しながら待ちたい。

■<スタッフコメント>

宮藤官九郎(企画・監督・脚本)

黒澤明監督作品の中で『どですかでん』がいちばん好きで、その原作小説『季節のない街』に20歳で出会い、その昂ぶりのまま演劇を始めました。以来、事あるごとに原作を読み、なぜ黒澤さんはこのエピソードを削除し、あのエピソードを膨らませたのだろう、という疑問が沸き始めました。そもそも短編集なので1話完結の連続ドラマになるんじゃないか?(…と思ったら60年前に森繁久彌主演でドラマ化されてました)とか、現代に置き換えるなら、舞台は仮設住宅かな?とか、電車バカの六ちゃんは誰がいい?とか、伴淳三郎さんの役はあの人?田中邦衛さんの役はアイツしかいないとか、そんな妄想を抱きつつ30年、無理だよな、無理なんだろうな、と諦めかけていたところに、ディズニープラスさんが面白がってくれて日の目を見ました。

びっくりするくらい素晴らしいキャスト、最高のスタッフ、びっくりするくらい寒暖差の激しいロケ地、怖いほど条件が揃ってしまったので、失敗は許されないというプレッシャーと闘いながら、二ヶ月半のロケは夢のように過ぎていきました。どうしよう。今回は自信がある。紛れもなく、いちばんやりたかった作品で、これを世に出したら、自分の第二章が始まるような気がしています。

世界中の人に観てほしいので拡散お願いします」

文/スズキヒロシ

宮藤官九郎企画&監督&脚本の青春群像劇『季節のない街』配信決定!ティザービジュアルも解禁/[c]2023 Disney and related entities