WBCでも存在感を示した大勢(C)CoCoKARAnext

 巨人の「魔の8回」問題が注目を集めている。

 2日のヤクルト戦から6試合連続8回に失点が続いており、特に大きくクローズアップされたのは先週末に行われた中日3連戦にあった。5日の初戦は1点リードで迎えた8回にルーキーの田中千晴が登板。一挙6失点で逆転負けとなった。2戦目の6日の試合は先発グリフィンが7回1失点と試合を作るも2番手で、先に育成から支配下登録されたばかりの三上朋也が決勝打を浴びた。

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 さらに第3戦の7日の試合は特に象徴的だった。1-1の8回からマウンドに上がった直江大輔が2者連続四球を与え、その後、上がったリリーフ陣も流れを止められず、石川昂弥の犠飛で勝負を決した。ノーヒットながら四球がらみで決勝点を献上する痛恨の展開となった。

 開幕から期待していたロペスが乱調、一時はルーキーの田中千も奮闘していたが、すでに二軍で再調整となっている。

 この巨人の「8回問題」には球界内からも様々な考察の声が出ている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者高木豊氏は10日に更新した自身のユーチューブチャンネルで巨人の終盤の投手陣起用について言及している。

 動画の中ではこれまでの巨人の試合展開を振り返った上で、アシスタントを務める森藤恵美氏に「中継ぎ、抑えの中で1番信頼できるピッチャーは誰?」と質問を繰り出した高木氏。これに森藤氏は「大勢投手です」と応えると、高木氏は続けて「じゃあ、8回に持っていけばいいじゃない!」と配置転換を提言してみせた。

 絶対守護神である大勢を「8回の男」として起用することで、流れを相手に持っていかせず、9回からは細かい継投に入ればよいとした。

 この起用に関して、同氏は意図を「セーブがつかないんだったら、大勢は宝の持ち腐れ」になっていると説明。同様の意見は球界内からも出ているが「8回が邪魔なわけでしょ、8回を消せばいいんだよ」と固定概念を廃して、まずは喫緊の課題解消に向け、柔軟な起用を求めた。

 実際に8回を任せる投手に関してはキャリアが浅い投手には荷が重いともされており、昨年ルーキーイヤーから守護神を務めた大勢ほどの強心臓であれば、まさに適任ともいえそうだ。

 WBCでは世界の強豪チームにも立ち向かい、剛腕を発揮、存在感を示した。ハートの強さはピカイチともいわれるだけに、今後の起用法も含め、注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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