帝国データバンクは、2023年4月に発生した「物価高倒産」について調査・分析を行った。

<調査結果(要旨)>

  1. 「物価高」が要因となる倒産、累計1007件

  2. 資材高の「建設業」、燃料高の「運輸業」が目立つ

集計期間:2023年4月1日4月30日
発表日:2023年5月11日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:株式会社帝国データバンク

資材高の「建設業」、燃料高の「運輸業」が目立つ

4月の「物価高倒産」は75件となり、急増した3月の67件からさらに12%増加。2018年1月に集計を開始して以降、累計で1000件を突破した。

全体の倒産件数が2月の574件から800件に急増した3月には、「物価高倒産」も前月を大きく上回ったが、4月は全体の倒産件数は610件と前月を下回るなかでも、「物価高倒産」は増加した。倒産件数全体に占める「物価高倒産」の割合は3月の8.3%から4月は12.3%と大きくなっている。

業種別にみると、「建設業」(23件、構成比31%)がトップ。次いで「製造業」「運輸業」(各13件、同17%)、「サービス業」(12件、同16%)、「小売業」(7件、同9%)と続いた。

トップの「建設業」では、資材高の影響を受けた木造建築工事業者や土木工事業者が多く、「製造業」では食料品や印刷など多方面にわたった。「運輸業」は燃料高に加え、『2024年問題』も抱えるなど業界環境は非常に厳しい状況が続いている。

 

要因別にみると、「エネルギーコスト」と「人的コスト」が25.0%で最多となり、『運輸業』ではこの2要因が大部分を占めた。次いで、「包装・資材」(22.7%)、「原材料」(20.5%)と続き、『食品』や『建設』関係で多かった。

TDBが4月30日に発表した「食品主要105社」価格改定動向調査によれば、2023年も2万品目を超える食品の値上げが予想されている。値上げにおいても原材料高、包装資材高の影響は大きいが、倒産を見るうえでも、物価上昇分を価格転嫁が出来ずに倒産に至るケースも散見され、今後も「物価高倒産」は高水準で推移するだろう。

配信元企業:株式会社帝国データバンク

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