『ゴジラvsコング』(21)の続編の正式タイトルが、『Godzilla x Kong: The New Empire』に決定したことが先頃報じられ、レジェンダリー・ピクチャーズのYouTubeチャンネルではティザー映像が公開された。日本を代表する怪獣映画の金字塔「ゴジラ」が、ハリウッドに渡り拡大を続けるこの「モンスターバース」。これまでの流れを簡単に振り返りながら、最新作について現時点で明らかになっている情報をまとめていきたい。
【写真を見る】『ゴジラvsコング』続編タイトルに込められた意味とは…?
■全世界累計興収19億4800万ドル!あの怪獣たちをハリウッドスケールで
ギャレス・エドワーズ監督がメガホンをとった『GODZILLA ゴジラ』(14)から始まった「モンスターバース」。同作では地球上の放射線量の上昇によってよみがえったゴジラと、同じく古代からよみがえった巨大生物ムートーが、太平洋を横断しながらハワイとサンフランシスコで激闘を繰り広げる。一方、第2弾となった『キングコング:髑髏島の巨神』(17)では、1970年代を舞台に太平洋上に発見された孤島に上陸した調査隊が、キングコングと遭遇する様が描かれた。
続く第3弾『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)では、再びゴジラの戦いに回帰。『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界を舞台に、神話時代から復活したキングギドラとラドン、そしてモスラが登場。ゴジラマニアを公言しているマイケル・ドハティ監督が手掛けたとあって、ゴジラファンの心を掴む“怪獣総進撃”として話題を集める。そしてそこからさらに5年後を舞台にした第4弾『ゴジラvsコング』で、ついにゴジラとキングコングが相見える。両者の戦いは、『キングコング対ゴジラ』(62)以来、約60年ぶりとなった。
コロナ禍の影響で約1年の公開延期に見舞われた『ゴジラvsコング』。その間には劇場公開か配信かをめぐり一悶着があったものの、無事に劇場公開を迎えるとコロナ禍以降のオープニング新記録(当時)を樹立し、公開から2か月半で北米興収1億ドルを記録。「モンスターバース」4作の全世界累計興収は19億4800万ドルに到達し、さらなる続編への気運が一気に高まることになった。
『ゴジラvsコング』の公開直後から様々な噂が飛び交っていた続編の構想。その段階では、『Son of Kong』というタイトルになるという話も報じられており、ゴジラが登場しない可能性も危惧されていた。そんななか、2022年の春になってようやく続編の始動が正式にアナウンスされる。さらにアダム・ウィンガード監督の続投、2022年内にオーストラリアで撮影がスタートすること、そして2024年3月15日(金)に北米公開が設定されたことなどが続々と報じられた。
撮影は2022年の夏に開始された。その時点ではまだ詳しいストーリーなどは明らかにされていなかったが、その直後にレジェンダリー・ピクチャーズとワーナー・ブラザースの連名でシノプシスが公開された。それによると、「コングとゴジラを我々の世界に隠された巨大な未知の脅威と戦わせる」こと、「これらのタイタンの歴史と起源、そして髑髏島などの謎をさらに掘り下げる」ことが判明。
キングコングとゴジラのリベンジマッチではなく、前作のメカゴジラとの戦いのように両者の共闘の可能性があると捉えることができるだろう。しかも今回決定したタイトルが『Godzilla x Kong: The New Empire』と、前作のような“vs”ではなく“x”になったのも、それを示唆している。はたして両者が対峙する怪獣は誰か。続報に注目しておきたい。
キャストに関しては、アイリーン役のレベッカ・ホール、バーニー役のブライアン・タイリー・ヘンリー、ジア役のカイリー・ホットルの続投に加え、『美女と野獣』(17)のダン・スティーヴンスや『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)のファラ・チェン、ほかにアレックス・ファーンズ、レイチェル・ハウスらの出演が発表されている。前作に登場したミリー・ボビー・ブラウンや小栗旬らの出演については不明となっている。
■ドラマシリーズ&アニメシリーズにも動きが!
一方で2022年の1月には、「モンスターバース」の実写ドラマシリーズがレジェンダリー・ピクチャーズとApple TV+の提携のもとで開発されることが発表されている。壮絶な戦いによってサンフランシスコが破壊された後の世界を舞台に、ある家族が“モナーク”にたどり着く様子が描かれるとのことで、様々な怪獣が登場するという話も。
ドラマシリーズの監督には「ワンダヴィジョン」でエミー賞にノミネートされたマット・シャックマンの参加が決定しているほか、キャストとしてアンナ・サワイやキアシー・クレモズ、ジョー・ティペット、エリサ・ラソウスキー、カート・ラッセルとその息子であるワイアット・ラッセル。そして渡部篤郎とRIKACOの次男である渡部蓮らの出演が発表されている。
また、『ゴジラvsコング』の公開を控えた2021年の初頭には、Netflix制作のもとでキングコングを描くアニメシリーズ「Skull Island」の制作が発表されており、2022年の夏にそのファーストルック画像も公開されている。ドラマシリーズ、アニメシリーズともに配信時期は未定。様々なかたちに拡大を続ける「モンスターバース」から今後も目が離せなくなりそうだ。
ちなみに日本でも『ゴジラ』1作目から70年を迎える2024年を前に、2023年11月3日(金)の“ゴジラの日”に、山崎貴監督がメガホンを取る新たなゴジラ映画が公開されることも発表されている。立て続けに公開される日米の新たなゴジラ映画。どちらもさらなる続報に乞うご期待!
文/久保田 和馬
コメント