2023年5月15日、タイの各メディアは、14日に行われた総選挙は、軍の影響力排除を掲げる革新系の野党「前進党」が151議席で、大方の予想を覆して第1党となる見通しとなったと伝えた。また、タクシン元首相派の最大野党「タイ貢献党」は141議席となり、前進党とタイ貢献党の2つの野党をあわせると議会下院の過半数を占める見通しとなった。一方、クーデターを率いたプラユット首相の「タイ団結国家建設党」は、36議席にとどまった。

 ただ、議席の確定後に行われる首相指名には、今回選挙が行われた500人の下院議員のほか、軍政下で任命された250人の上院議員も加わる。その多くが軍に近い政党に有利な投票をするとみられている。また、第1党、第2党となった2つの野党の間には政策面で大きな違いがあるため、政権交代となるかどうか、今後の各政党の連立交渉の行方に注目が集まっている。

タイ・プラユット首相(資料写真)