マイナンバーカードの信頼性が、激しく揺らぎ始めている。

 本サイトが5月10日に公開した記事でも指摘したように、マイナカードを利用したコンビニでの住民票交付を巡っては、神奈川県横浜市川崎市東京都足立区で、申請を行った住民に「アカの他人の住民票」が13件も交付されていたことが判明。その後に判明した徳島県徳島市の事案を加え、現時点で計14件の誤交付が明らかになっている。

 それだけではない。国が健康保険証との一体化を進めているマイナ保険証にも、アカの他人の情報が紐づけされたケースが少なくとも7312件(2021年10月~22年11月)に上っていたことが判明した。このうち、マイナ保険証に搭載されている個人情報がアカの他人に閲覧されてしまった事案も5件、確認されていたのである。

 さらに、島根県安来市では今年1月、他人の顔写真を載せたマイナカードを交付していた事案が判明。東京都練馬区でも今年3月、マイナカードの再交付申請のために区の窓口を訪れた住民1人に、あろうことか、マイナカードの交付申請を行った住民50人分の氏名や住所を記載した書類を渡していたことが、明らかになっているのだ。

 マイナカードを使えば住民票のほか、戸籍謄本や印鑑証明なども、コンビニで交付を受けることができる。また、マイナカードには健康保険証のほか、運転免許証や預貯金口座などの情報との紐づけが、国策として急ピッチで進められている。

 ところが、マイナカードの運用や管理を統括する総責任者であるはずの河野太郎デジタル担当相は、富士通Japanによるコンビニでの交付サービスを一時停止して点検するとブチ上げながら、「要請に強制力はなく、停止するかどうかは、自治体の判断だ」と責任を丸投げ。返す刀で、マイナ保険証のトラブルについても「事務的な保険者のミスが原因と認識している」などと述べて、健康保険組合(大企業)や協会けんぽ(中小企業)、共済組合(公務員)や国保(自営業者)の現場職員らに責任を転嫁しているのだ。

 これにはさすがに自民党内からも、批判の声が噴出している。

「従来の紙の保険証を来年秋に廃止することも含めて、河野大臣はマイナカードの導入をゴリ押ししてきた張本人。ところが、いざダダ漏れ案件が続出すると、責任を現場に押しつけて、シレッとしている。対応に追われている加藤勝信厚労相も松本剛明総務相も『いったいナニ様のつもりだ!』と憤慨していますよ」(自民党執行部関係者)

 要するに、自分が目立つことしか考えていないボンボンの本性が出た、ということだろう。

アサ芸プラス