今年で 25 周年を迎えるハロー!プロジェクトに所属する『BEYOOOOONDSビヨーンズ)』が、5 月 15 日にグループとして 2 回目となる単独での日本武道館公演を開催した。 


本公演は 3 月 19 日からスタートした、春のコンサートツアー『BEYOOOOONDS CONCERT TOUR「NEO BEYO」』 (全 10 会場 11 公演)の特別公演として行われた。また、本公演は全国 50 以上の映画館でライブビューイングも実施された。 ハロー!プロジェクトでは政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」 が廃止されることに伴い、公演のガイドラインを変更。5 月 8 日から一般席(着席指定 席を除く)は立ち上がっての観賞ができるようになったほか、声出しも可能に。本公演は新しいガイドラインとなってから初となるハロー!プロジェクト所属グループの日本武道館公演となった。 


そのため、本公演は声出し解禁を意識した“あおり”なども随所に盛り込まれ、以前のようにメンバーとファンが一体となってライブを盛り上げていく演出が散りばめられた 構成に。



メンバーの前田こころは前日のブログで「声出す準備はできてるかーい?」と ファンに語りかけ、メンバーのコール名などをブログでまとめるなどしていたのも印象的だった。 コロナ禍以降初となる日本武道館公演の声出し解禁とあって、公演直前には会場に訪れた約 8000 人のファンから大きな声援が飛び交う。 


会場の照明が消え、公演がスタートするとメインスクリーンに 60 秒のカウントダウンが 進行。カウント 0 とともにメンバーの等身大パネルを型抜きしたものが登場すると、会場からは大きな歓声が巻き起こる。 ライブは 4 月 12 日に発売された最新シングル『求めよ…運命の旅人算』でスタート。 パフォーマンス終了後にメンバーが 「みなさん 、 日本武道館へようこそ ! BEYOOOOONDS です!」と挨拶する。会場にベースビートが流れると、いきなり“らし さ”全開。前田こころの「みなさん、Clap your hands!」の掛け声で会場が一体になると、高瀬くるみの呼びかけで、岡村美波が“DJ みいみ”として躍動する。 さらには清野桃々姫のトークボックスやメンバー10 人によるロボットダンスもスタートし、待ちに待った BEYOOOOONDS 劇場が開幕。


清野桃々姫がフリーズするという寸劇が展開されたのち、『Hey!ビヨンダ』『英雄~笑って!ショパン先輩~』を披露する。 小林萌花のピアノ演奏も加わり、BEYOOOOONDS ワールドはいきなりフルスロットル。 この勢いのまま MC へ突入する。 MC では平井美葉が「私たちにとって 2 度目の日本武道館公演」と語ると、会場から大声援が。続けて平井は「(声援に)圧倒されそうになりますけど、私たちも気合十分。 私たちの全力のパフォーマンスを全身で受け取ってください!」と宣言。この勢いのまま『元年(五年)バンジージャンプ』『小夜曲〜眼鏡の男の子(パラレル ver.)』を歌い上げる。 前田こころの「一度はやってみたかった」という語りかけで始まった『眼鏡の男の子』 は、今回だけの特別演出に。同曲は前田こころ演じる眼鏡をかけた男の子をめぐる 寸劇が特徴。最後には清野桃々姫と前田こころが結ばれるという結末を迎えるが、今回は里吉うたのと前田こころが結ばれるという、いつもと違う演出に。このサプライズ に、会場からは驚きの声が上がっていた。 


その勢いのまま『GOGO 大臣』『ビタミン ME』『Go Waist』をメドレーで披露。ポンポンを持って元気いっぱいにチャーミングに踊るシーンは見応え十分。全メンバーから純粋にライブを楽しんでいるような笑顔が感じられたのが印象的だった。また、『Go Waist』 では江口紗耶が扮するサヤー隊長が活躍するサヤーズブートキャンプがステージ上で展開される。サヤー隊長は「武道館といえば寒風摩擦!」と呼びかけ、ファンと一緒に寒風摩擦や、タオルを回したりとタオルを使ったトレーニングを行いファンと一緒に楽しんでいた。 さらにメンバーがステージ上からはけると、スクリーンにはサヤ―隊長と西田汐里、山﨑夢羽が登場。本公演だけの特別映像が流れる演出で、初夏に向けたワークアウト をテーマにした寸劇が展開され、会場は笑いに包まれていた。 


ここからは怒涛のBEYOOOOONDS ライブの定番曲のオンパレードへ。『アツイ!』と、 今回の声出し用に一部歌詞をアレンジした『涙のカスタネット』をアツく歌い上げる。 『涙のカスタネット』はメンバーだけでなく、ファンも一体となってカスタネットを叩き合う パフォーマンスが毎回話題に。今回も武道館全体にカスタネットの激しい音色が響き渡っていた。 この流れに会場は一気にヒートアップ。彼女たちの勢いも止まるどころか、ここからワ ンランク上にギアチェンジしていく。『激辛 LOVE』『アラビヨーンズナイト』『ハムカツ黙示録』と、次々とキラーチューンをたたみかける。このターンでも歌とダンスの高いパフォーマンスを披露しつつ、『ハムカツ黙示録』では西田汐里がハムカツをかじるアク ションを盛り込むなど、BEYOOOOONDS らしい遊び心を魅せてくれた。 


パフォーマンス後、西田汐里は「激辛 LOVE、アラビヨーンズナイト、ハムカツ黙示録と、 ちょっとスパイシーで脂っこいナンバーをお届けした訳ですが、この辺で白いご飯が食べたくなった頃だと思います。それともパンでしょうか?」とファンに語りかける。西田は「私はやっぱり・・・」と、口パクでゴハンを食べる仕草を見せ、『Never Never know ~コメ派とパン派のラブウォーズ~』を披露する。 ここから後半戦に。『恋愛奉行』『こんなハズジャナカッター!』『虎視タンタ・ターン』 『ニッポンノ D・N・A!』と息もつかせぬ時間に。 『虎視タンタ・ターン』は、小林萌花のピアノ演奏や清野桃々姫のビートボックスなども加わっただけでなく、『ニッポンノ D・N・A!』も特別な煽り映像が追加されいつも以上に華やかな構成となっていた。 


フィナーレは、5 月 2 日にオーケストラと共演したコンサート『BEYOOOOOPHONIC(ビヨフォニック)』で披露した『恋する銀河』を歌唱。そして最後は『夢さえ描けない夜空には』を歌い、本編は幕を閉じた。 その後、声出しでのアンコールを経て、メンバーが新衣装を着て再び登壇する。


アンコールは前回の武道館公演でも話題をよんだ全曲振り返りスペシャルメドレー。その 名の通り、今回の公演の 1 曲目から本編最後の楽曲までを数小節ずつノンストップでつなげた驚きのメドレー。本ライブのハイライトにふさわしく、ファンも今日のライブを存分に振り返れたことだろう。 ラストに披露されたのは、初めての日本武道館公演でもラストを飾った『伸びしろ~ Beyond the World~』。力強く、そして優しく歌いあげ、まだまだ私たちには“伸びしろ” があると言わんばかりのパフォーマンス。最後にはキャノンテープが舞い上がり、あたたかい雰囲気に包まれてライブは終了となった。 


最後はメンバーから感謝の言葉と、ライブの感想が語られた。この 3 年間を振り返り、 涙を流すメンバーも多く、途中で涙を拭くためのティッシュが配られる一幕もあった。 「BEYOOOOONDS は夢が叶う場所。BEYOOOOONDS と出会ってくれたことが嬉しい」 (清野桃々姫) 「3 年間、(声援を)我慢してくれたおかげで今日の感動が生まれた」(岡村美波) 「今日こうして皆さんの声援を聞いたとき、幸せで胸がいっぱいになった」(江口紗耶) 「笑顔とか元気、勇気を届けられる人になれているんだなと実感することがある。小さい時になりたかった大人に皆さんのおかげでなれている」(西田汐里) 「ステージ上で手と足の震えが止まらなかった。景色が綺麗すぎて目が泳いでました」 (山﨑夢羽) 「終わって欲しくない。この時間が続けばいい。これからも皆さんにたくさんの愛を届けたい」(前田こころ) 「自信がなくなったとき、こんなにたくさんの人たちが味方だと思えたら心強いことはな い」(里吉うたの) 「デビューから変わらず 12 人のメンバーでやってこれたことがすごい」(島倉りか) 「1 年前の武道館公演と変わらず、いつまでも BEYOOOOONDS の“やさしい世界”を作っていきたいと思う。そのやさしい世界にいつでも遊びに来てほしい」(小林萌花) 「BEYOOOOONDS っていいですよね。なんて尊いんだろう。毎日が幸せです」(平井 美葉) 「みんなの声が聞けるのが本当に嬉しい。こんなにライブって楽しかったんだ。自分が飛んでっちゃいそうって思うくらい楽しいものだったんだ。皆さんに思い出させてもらっ た」(高瀬くるみ) 「来てくださった方、ライブビューイングで見てくださった方は、今日、眠れないでしょう。 いい夢を見てください!」(一岡伶奈) 


今回の日本武道館公演も、歌、ダンス、寸劇ありという BEYOOOOONDS の魅力が感 じられるライブとなった。また、通常公演とは違った日本武道館公演ならではの特別な演出や遊び心も随所に盛り込まれ、ここでしか体験できない時間が共有されたことだろう。12 人のメンバー全員が、歌、ダンス、演技で、個性的で高いパフォーマンスを 持ち合わせているからこそできる BEYOOOOONDS の世界が凝縮されていた。

ドワンゴジェイピーnews