SDN48元メンバーで作家の大木亜希子が2019年に発表した実録私小説を、深川麻衣と井浦新の共演で映画化する『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人おっさんと住む選択をした』が、2023年秋に公開されることが決定した。

【写真を見る】原作は2019年にSDN48元メンバーの大木亜希子が発表した実録私小説

原作は、14歳で芸能界入りし俳優として人気ドラマへ出演、そして20歳でAKB48グループのメンバーとしてNHK紅白歌合戦への出場もはたした大木が2019年に上梓した同名小説。発売されるやいなや、衝撃的なタイトルとは裏腹に女性読者を中心に共感の声が拡がり現在3万部を突破。2021年には、コミカライズ「つんドル!~人生に詰んだ元アイドルの事情~」も発売されるなど話題を呼んでいた。

元アイドルの安希子はある日の通勤途中、突然足が動かなくなってしまう。メンタルを病み、仕事を辞め、大好きだった男も忘れられず、貯金も10万円。そんな時、友人から勧められたのが、当時56歳で都内の一軒家で一人暮らしをするサラリーマン、 通称ササポンとの同居生活。貯金も底がつき、背に腹は代えられないとスタートした奇妙な同棲生活の中で、安希子は徐々に“日常”を取り戻していく。

主人公、安希子役には、乃木坂46元メンバーの深川。初期メンバーとしてグループを牽引する存在だったものの女優業に専念するべく2016年に卒業。その後は、今泉力哉監督の『パンとバスと2度目のハツコイ』(18)で初主演を務めると、その後は『愛がなんだ』(19)、『水曜日が消えた』(20)、『おもいで写眞』(21)テレビドラマ「サワコ〜それは、果てなき復讐」など話題作への出演が続いている。本作では、やさぐれ感満載のアラサー女子をチャーミングに演じる。

そして、ひょんなことから安希子が同居することになった、都内の一戸建てに住むおっさん、ササポン役には井浦。数々の映画、ドラマで俳優賞を受賞するなど、いまでは映画やドラマには欠かせない存在となった彼が、安希子の恋人でも家族でもない、特別な距離感でそばにいてくれる“癒し系”のササポンを好演している。

監督には、ブランドのPRとして働きながら、映画監督として活動する穐山茉由。30歳の時に映画学校の夜間に入学し、2018年に⻑編デビュー作『月極オトコトモダチ』(19)を発表すると第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に正式出品され、国内外で高い評価を得ることに。2021年には監督&脚本を務めたオリジナル作品にして、商業映画デビュー作の『シノノメ色の週末』(21)が第31回日本映画批評家大賞、新人監督賞を受賞。また2022年公開の映画『左様なら今晩は』では脚本も担当。監督最新作となる本作では、穐山が実際に経験してきたキャリアチェンジを活かし、安希子の日常をリアルに活写する。

また脚本を務めるのは、映画『ずっと独身でいるつもり?』(21)、「美しい彼」シリーズ、Netflixシリーズ「金魚妻」など、数々の話題作を担当してきた坪田文。安希子のアラサー独特な”明るい毒気”や、ササポンから放たれる”マイナスイオン”を魅力的に描きだす。

映画やテレビドラマに欠かせない実力派俳優と気鋭の製作陣が集まった本作。今後の続報にも期待したい。

■<キャストコメント>

深川麻衣(安希子役)

「原作を読んだ時、結婚や仕事に対してもがいている安希子の姿にとても心を打たれました。元アイドルという境遇も同じなので、この作品で安希子を演じられることがとても嬉しかったです。恋人でも、友達でもない、でも、いつもそこにいてくれるササポン。お互いに良い影響を与えながら、依存していない関係性はとても理想的な関係性だと思います。普段、生きていると壁にぶつかったり、ちょっと心が疲れてしまったなという時は誰しもあると思いますが、そんなときこの映画が誰かの心をふっと軽くできたらいいなと願っています。自分らしさ、自分にとっての幸せとは何かを立ち返らせてくれる作品になっています。ぜひお楽しみください」

●井浦新(ササポン役)

「脚本を読んで、とてもほっこりと、ゆるやかな空気感のある素敵な作品だと思いました。ササポンという役は、演じたことのない役柄でしたので、どんなアプローチをしていこうかなとワクワクしました。そして、ササポンの素敵なセリフを、いかに素敵にならないように、普通のおじさんでいるということのさじ加減が難しくもありましたが、演じていて面白かったです。どんな人にでも、無理をしながら、頑張らざるを得ない時があると思います。映画を観て、安希子にとっての“ササポン”のような存在を、人じゃなくても、物や自然でもいいと思いますので、自分にとっての“なにか”を見つけるきっかけになれたら幸いです」

●穐山茉由(監督)

「初めて原作を読んだ時、『元アイドル』が『おっさん』と住むというインパクトのあるお話の裏に、

現代に生きる人の悩みが痛いほどリアルに描かれていると感じました。この作品は女同士の友情やキャリアチェンジといった要素も強く、私自身も会社員をしながら映画監督になった経験を持つため、主人公と等身大の視点で撮影に臨みました。実話ベースの物語ですが、深川麻衣さん、井浦新さんという素晴らしいキャストによって、新しい安希子とササポンの物語が誕生したと思います。観た方がどこか自分と重ね合わせられるような、そんな作品になると嬉しいです」

●大木亜希子(原作)

「この小説を書いた当時29歳の私は何事にも自信が持てず、自分がやりたいことも見つからず、婚活に焦っていました。他人の視線ばかり気にして、少しでも順調な人生を歩む自分に見られたかった。最終的に偽りの自分に疲れ、盛大に詰みました。そんなアキコが、家族でも恋人でもない他人のおっさんと出会うことで再生される過程を描きました。主人公のモデルは紛れもなく私です。しかし、あらゆる女性の分身として描いたキャラクターでもあります。ですから、貴方自身の物語でもあります。この映画を観てくださった方が『色々あるけど明日も頑張ろう』と思えますように。私は、私のままで良い。少しでも多くの方にそう思っていただけたら幸いです」

文/スズキヒロシ

元SDN48大木亜希子の実録『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』深川麻衣×井浦新共演で映画化!/[c]2023「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」製作委員会