コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、実話漫画「あたいの卒業式」をピックアップ。

【写真】優しい校長先生との最後の卒業式を描いた実話漫画が「泣ける」と話題に

ツイートは2.4万以上のいいねを記録して多くのコメントが寄せられた。この記事では作者の大塚みちこさんにインタビューを行い、作品を描いたきっかけや思いについてを語ってもらった。

■作者が実際に体験した感動の卒業式

作者の大塚みちこさんが小学校6年生の頃の校長先生は、優しい女性の先生だった。先生はいつもニコニコしていて、授業中に昔の話をして楽しませてくれたり、作者の修学旅行に同行してくれたりしたという。大塚さんは先生がまとっているおだやかな雰囲気が大好きだったそうだ。

いつしか大塚さんら6年生は卒業シーズンを迎える。卒業式の練習を始める頃、担任の先生から校長先生が体調を崩してしまい卒業式に出られるか分からない状態だと知らされた。ざわめく6年生だったが、校長先生卒業式の出席を強く希望しているという…。

作者の大塚みちこさんが実際に体験した卒業式のエピソード。Twitter上では「泣いた」「めちゃくちゃ素敵な校長先生ですね」「本当に学校とみんなが大好きだったんだなぁと感じました」「胸が熱くなりました。ありがとう」と感動のコメントが寄せられている。

■「大切なことを近くに感じてもらえたら」作者・大塚みちこさんの漫画へのこだわり

――「あたいの卒業式」を思い出したきっかけや、先生に対する気持ち・伝えたいことはありますか?

この卒業式は私の中にずっと残っていて卒業シーズンになる度に思い出が蘇っていましたが、社会人になってから思い出す度に校長先生の生き様と周りの先生たちの一生懸命さとその熱量を感じて、良い先生たちに育ててもらったんだなあと改めて感じました。

私も子供たちと関わる仕事をしていますので「卒業式といえばさ、」ってこの時の話をしたりすると子供たちは「それでどうなったん?」「それでそれで?」とまるで自分がそこにいるように真剣にこの話を聞いてくれます。人の心の動きをよく見てくれていることもわかり、先生の思いや命の尊さ、自分たちを全力で応援してくれる人の存在を知ってもらうことができ、子供たちにも伝えながら漫画にも描いて自分のために残しました。

――「あたいの卒業式」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

担任の先生たちが正直に現状を話してくれた場面でしょうか。自分たちのために頑張って来ようとしてる校長先生がいること、自分たちに今出来る精一杯をやろうと言ってくれたこと、背筋が伸びるような感覚になりました。

――「あたいの卒業式」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

担任の先生の話から、校長先生車椅子で来てくれた場面、握手して声をかけてくれたこと…全てが印象的で心が動きました。翌日の連絡網で訃報の知らせを聞き、母が涙しながら私に「もう全部わかってはったんやろうね…さいごの力ふりしぼって、来てくれはったんやわ…」と言いました。

この時の私はふわっとしかわかっていませんでしたが、大人になってから当時を思い返すと言葉にできないくらい温かく尊く、そして人のために真っ直ぐに走る先生たちの生き様に胸が熱くなりました。

――「うちのおばあワン」や「 ヤンキーヘルパー不動くん 」など、日常生活に関する気付きや優しい気持ちにさせてくれる漫画を多く描いていらっしゃいますが、理由やこだわりがあればお教えください。

生きている中でいろんな壁にぶつかり悩みますが、私はどんな時でも「自分がどうありたいか」を常に考えて生きるようにしています。私自身とても寂しがりなので、誰かが寂しそうにしていると放っておけずつい走ってしまうんですよね(笑)目の前の何かや誰かが安心する瞬間が私にとっての安心なので、何かに気づいたら、ほんの一瞬でも自分にできる精一杯をやりたいと思って生きています。

切ない現実も事実ありますが、嬉しいことや楽しいこと、前向きに頑張っている何かや心がほっこりすることが身近にたくさんあるのも事実ですので、ええなぁ!!☆と思ったことや元気になったキッカケ、安心したこと、何かを自分なりに悟った瞬間などを日記に残しながら大事な感覚を創作漫画に託し、大切なことを近くに感じてもらえたらええなあと思っています。

――今後の展望や目標をお教えください。

これからも自分の感覚を大事にしつつ、自己研鑽しながら自分をしっかり楽しんで生きていこうと思います☆その中で見えた景色や気づき、何気ないあほな日常など漫画に描いて気ままに楽しく発信して行こうと思います〜☆本もまた出したいな〜!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

つたない私の日記や漫画を楽しく読んでくださりありがとうございます。これからも気づいたことや大切にしたいものを漫画や日記に描いていきますのでよかったらまた読んでやってくださいね〜☆

感動の実話漫画「あたいの卒業式」/画像提供:大塚みちこさん