伝説のボクシング映画「ロッキー」シリーズのその後を描いた「クリード」シリーズ最新作『クリード 過去の逆襲』(5月26日公開)のジャパンプレミア レッドカーペットイベントが5月17日後楽園ホールで開催され、監督と主演を務めたマイケル・B・ジョーダンが試合さながらのド派手な演出でリング上に登場。約300人のファンから大歓声を浴びた。

【写真を見る】日本のファンから熱烈な歓迎を受け、写真撮影などファンサービスに専念したマイケル・B・ジョーダン

本作は、かつてロッキー(シルヴェスター・スタローン)が死闘を繰り広げた親友、アポロ・クリード(カール・ウェザース)の息子、アドニス・クリード(ジョーダン)を主人公とした「クリード」シリーズの第3弾。無敵の王者として一時代を築き引退したクリードの前に、ムショ上がりの幼なじみデイム(ジョナサンメジャース)が現れ、クリードの新たな戦いが始まる。

この日は、初来日を果たしたジョーダンが日本のファンと対面した。ジョーダンがリングにあがると来日を待ちわびていたファンからは「マイケル!」「アイ・ラブ・ユー!」「アイム・ウェイティング・フォー・ユー!」と大歓声が沸き起こり、ジョーダンも胸を押さえて感激しきり。リング周りに敷かれたレッドーカーペットでは、サインや写真撮影など熱心にファンサービスに応え、ファンも終始大興奮だった。

「ずっと日本に来たいと思っていた。これは現実のことなのかな」と夢見心地のジョーダンは、「皆さんの愛と応援が熱くて感動しました」とファンと交流した感想を吐露。本作では監督デビューも果たしたが、「日本文化からはストーリーテラーとしても、若い監督としても、役者としても影響を与えられた」そうで、「『クリード 過去の逆襲』を日本の皆さんとシェアできることをとても楽しみにしていた」と熱を込めた。

ボクシングの聖地・後楽園ホールで洋画のイベントが行われるのは、今回が初めてのこと。大の日本のアニメ好きでもあるジョーダンだが、日本のボクシング漫画でアニメ化もされた「はじめの一歩」からも影響を受けている様子で、後楽園ホールのリングに立ったことに「先ほど『はじめの一歩』の舞台の一つだと思いだして、ヤバい!と思った。ギーク魂に火がついた。歴史のある場所にいられて光栄」と笑顔を弾けさせた。「ブラッククローバー」や「ハイキュー!!」「ブルーロック」など好きなアニメ作品をあげつつ、「行ってみたい聖地は?」と聞かれると、ジョーダンは「大好きな『はじめの一歩』の聖地に立っている。いまが聖地巡礼の瞬間」と声を弾ませていた。

そして本作について「テーマは赦(ゆる)し」と口火を切ったジョーダン。「血が繋がっていなくても、家族というものがいかに大事にすべきものなのかということも描いている。人生は誰にとっても大変なもの。どんな葛藤と対峙したとしても、本気の想いがあれば乗り越えられるんだということが伝わればうれしい」とにっこり。3月3日に全米公開され、「ロッキー」&「クリード」サーガ史上最高の興行収入記録を更新するなど大ヒットを記録している本作だが、ジョーダンは「これからも努力を続けて、映画を作っていきたいという気持ちを新たにした。僕は人間が大好き。自分の仕事を通して、人と人をつなげることができるのならば最高です」と充実感をみなぎらせていた。

またリングには、ボクシング元世界チャンピオンの薬師寺保栄、飯田覚士、西岡利晃山中慎介も集結。初来日を祝して、「クリード」オリジナルのチャンピオンベルトをジョーダンに贈呈するひと幕もあった。それぞれと握手やハグを交わしたジョーダンは「生けるレジェンドに尊敬の念を抱いている」とコメント。薬師寺が「プロに転向したらどうか」、飯田も「ボクシングシーンが本格的。シリーズのなかでも、一番リアルなボクシングシーンだったと思う」、西岡も「ジョーダンさんのボクシングのレベルの高さにびっくりした」、山中も「ジョーダンさんの動きに見惚れた」と熱弁すると、ジョーダンは「ボクサーの方が観ても本格的だなと思うものを目指していた。そういった言葉をかけていただいて光栄」とうれしそうな笑顔を見せていた。

取材・文/成田おり枝

マイケル・B・ジョーダン、約300人の日本ファンと対面。後楽園ホールのリングに立ち「いまが聖地巡礼の瞬間」と大感激