なでしこジャパンのDF熊谷紗希(バイエルン)が日本サッカー協会(JFA)のオンライン取材に登壇。自身の成長や来たるオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)への想いを口にした。

2011年ドイツ女子W杯で優勝を経験したのち、同年7月に海を渡った熊谷は、FFCフランクフルト(現:アイントラハト・フランクフルト)を経てリヨンへ移籍した。2019-20シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグ(UWCL)決勝では自らもゴールを奪い、空前絶後の大会5連覇など数々のタイトル貢献に獲得。2021-22シーズンからはバイエルンへと籍を移した。

一方、熊谷も出場した2019年のフランスW杯でなでしこジャパンはベスト16にとどまった。自身にとって、移籍も挟んだこの4年間は「もう一度自分の生きる術、このヨーロッパで戦う術を考え直した4年間にもなった」と語る。

「この4年間で世界のサッカーが変わったなとすごく感じていて、なのでもう一度自分の生きる術というか、ヨーロッパで戦う術っていうのを考え直した4年間にもなってきてはいて、チームも変わったこともありますけど、何を求められているかっていうところに応える力はついたかなと」

「(とはいえ)私自身がやっていることも多分やるべきことも変わらないと思うし、バイエルンに行ったからといって特別何かしたというのは本当にないですね。あとはいろんなチームの戦い方があって、(周囲に)合わせる力は絶対持ち合わせないと試合にすら出られないので、そこは環境の変化や周りの変化に伴って自分がやってきたところでもあるのかなと思っています」

欧州、特にイングランドでは、近年女子サッカーが非常に大きな盛り上がりを見せている。要因は種々あるが、「代表の結果が顕著にその国の盛り上がりにつながる」のは間違いないだろう。過去のなでしこが最たる例だ。日本の女子サッカー再燃に向けても、熊谷はW杯での結果を重要視する。

「去年ユーロでイングランドが優勝して、その盛り上がりも見ていてすごいなって思いましたし、4年前の大会(W杯)もベスト8はほぼヨーロッパのチームでした。注目度とともに、もちろんお金も含めて力の入れ方がヨーロッパの女性サッカーの成長につながっているんじゃないかなとは思っています」

「代表(チーム)の結果が顕著にその国のリーグや国の盛り上がりにつながるなとすごく感じているので、そういう意味ではやはり代表チームが結果を出さなきゃいけない」

ただ、重責ばかりを担うのではなく、大舞台を楽しみたいという特別な思いと、勝負に対しての想いも吐露。出場すれば自身4度目となるW杯へ向けて「理想はどんな大会になることか」という問いに対し、心の底から絞り出すように残した言葉が純粋だ。

「いやもう、本当に最後こう満身創痍になりながらでもやっぱり勝ちたいですね。もうギリギリのところで戦っていたとしても、最後に勝てる、最後に勝って次に進めるっていうチームで優勝できたら最高だなと思っています」

サムネイル画像