ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準決勝の2ndレグが18日に開催される。ファイナル進出を懸けた第2戦の展望を紹介していく。

◆ECL準決勝2ndレグ

▽5/18(木)
《28:00》
AZ vs(AGG:1-2) ウェストハム
バーゼル vs(AGG:2-1) フィオレンティーナ

◆菅原が逆転での決勝進出目指す

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★予想スタメン
◆AZ◆
【4-2-3-1】
GK:ライアン
DF:菅原由勢、ベウケマ、ハツィディアコス、ケルケス
MF:クラジー、ラインデルス
MF:オドゴール、マイナンス、ファン・ブレデローデ
FW:パヴリディス

◆ウェストハム◆
【4-2-3-1】
GK:アレオラ
DF:ケーラー、ズマ、オグボンナ、クレスウェル
MF:ソウチェク、ライス
MF:ボーウェン、パケタ、ベンラーマ
FW:イング

DF菅原由勢を擁するAZは、今季ECLで無敗を継続する優勝候補相手に初黒星を与えての逆転突破を目指す。

先週にロンドン・スタジアムで行われた1stレグは、ホームのウェストハムが2-1の逆転勝利で先勝した。立ち上がりから一進一退の攻防を見せた中、アウェイのAZが前半終盤にMFラインデルスの強烈なミドルシュートで先制に成功した。しかし、後半に入って徐々に盛り返したウェストハムはMFベンラーマのPKで同点に追いつくと、76分にはセットプレーの二次攻撃からFWアントニオの泥臭いゴールで逆転に成功。このままリードを守り切ったモイーズのチームが先勝した。

試合を通しては善戦を見せたものの、ロンドン・スタジアムの独特な空気や世界屈指のリーグプレーする格上の個の力に屈したAZ。それでも、先週末のエールディビジでは格下エメン相手に前半だけで5ゴールを奪う、圧巻のパフォーマンスで5-1の完勝。菅原を含めて多くの主力を早いタイミングでベンチに下げ、コンディション調整を含めてホームでの逆転突破に弾みを付ける大勝となった。また、今回の試合では左サイドバックの主力である逸材DFケルケスがサスペンション明けで復帰となり、右の菅原と共にサイドアタックに厚みを加えてくれるはずだ。

一方、準決勝でも今大会で披露する勝負強さを見事に発揮し、初戦を逆転勝利で飾ったウェストハム。ただ、PKにセットプレー流れのゴールとややツキに恵まれた印象もあり、敵地での2ndレグに向けて全く油断できない状況だ。

それでも、プレミアリーグですでに残留を決めているアドバンテージによって直近のブレントフォード戦では大幅なターンオーバーを敢行。0-2で敗戦を喫したが、主力温存によって大一番へしっかりとコンディションを整えてきた。なお、初戦で決勝点を挙げた主砲アントニオとDFツォウファルは遠征メンバー入りしたものの軽傷を抱えており、起用の可否は微妙なところだ。もちろん、代役を担うFWイングスは実力派のストライカーだが、カウンターの起点やイーブンボールを五分以上で競り勝てるフィジカルモンスターが不在となれば、より難しい試合になるかもしれない。

スイス勢初のファイナルか、ヴィオラの逆転か
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★予想スタメン
◆バーゼル◆
【3-5-2】
GK:ヒッツ
DF:ラング、ヌフ、ペルマール
MF:エンドイエ、ディウフ、ブルヘル、ジャカ、ミラー
FW:アムドゥニ、オギュスタン

フィオレンティーナ
【4-2-3-1】
GK:テラッチアーノ
DF:ドゥドゥ、クアルタ、ミレンコビッチ、ビラギ
MF:アムラバト、マンドラゴラ
MF:ニコラス・ゴンサレス、ボナヴェントゥーラ、イコネ
FW:カブラウ

バーゼルとフィオレンティーナの対決は、下馬評を覆してスイスの名門が初戦で大きなアドバンテージを手にした。

先週にスタディオ・アルテミオ・フランキで行われた1stレグは、バーゼルの元エースストライカーであるFWカブラウの古巣初対戦に注目が集まった中、その主役が前半に恩返しゴールとなる先制点を奪取。以降もホームのフィオレンティーナが優勢に試合を運んだものの、なかなか追加点を奪い切れず。

すると、前半から幾度か鋭いカウンターを仕掛けていたバーゼルは、GKのロングフィードからパス2本で局面を変えてMFディウフのファインフィニッシュで同点に追いつく。さらに、試合終了間際には前がかったヴィオラの隙を突き、セットプレーの二次攻撃からFWアムドゥニの値千金の逆転ゴールでアウェイチームが2-1の逆転勝利を収めた。

望外のアドバンテージを手にしてザンクト・ヤコブ・パルクでの2ndレグを迎えることになったバーゼルは、スイスのチーム史上初となるUEFAコンペティション決勝進出への機運高まり、チケットがソールドアウト。直近のリーグ戦ではザンクト・ガレンに屈辱の1-6の大敗を喫したが、同試合では1stレグから先発9人を入れ替えており、この大一番へ周到な準備を整えている。初戦で手の内を晒していることもあり格上相手に苦戦必至だが、引き続き粘り強い戦いを見せられれば、悲願達成の可能性は十二分にある。

一方、ホームでショックが残る敗戦となったフィオレンティーナだが、直近のウディネーゼ戦では大幅なターンオーバーを敢行した中で2-0の快勝。公式戦4試合ぶりの勝利によってバウンスバックに成功した。多士済々なアタッカー陣に制空権を握れるセットプレーを含め、敵地でもゴールを奪える可能性は非常に高いが、初戦で手を焼いたカウンター対応など問題点をしっかりと修正したい。
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