秋広はこのままアピールを続けられるだろうか(C)CoCoKARAnext

 「巨人は若手が育たない」と長年指摘され続けているように、ここ数年で若手時代から活躍している生え抜き野手と言えば岡本和真坂本勇人くらい。ヤクルト村上宗隆DeNA牧秀悟阪神佐藤輝明のように20代前半からチームの軸として活躍する新たな選手はなかなか登場しない。松原聖弥吉川尚輝など好成績を残すシーズンがあっても、長期に渡って結果を出すことができず、“期待の若手”から“中心選手”にステップアップできない選手は多い。

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 毎年育成選手を大量に獲得したり、三軍を設けたりなど若手育成に力を入れてはいるが、なかなか成果に結びつかない。そんな巨人ではあるが、若手が育たないのは“読売巨人軍”という伝統ある球団だからこその必然なのかもしれない。現役時代ヤクルトで活躍した宮本慎也氏がYouTubeチャンネル『野球いっかん!』に出演して、“巨人の若手野手が育たない問題”についてコメントした。

 まず、「ジャイアンツはチームのあれも違うと思うんですよね」「捨てゲームは悪い言葉ですけど、1年間戦っていくうえでコンディション調整っていうのは必要」と話す。捨てゲームは長いシーズンでは必然的に生じてくるものではあるが、巨人は熱烈なファンが多く常勝を求められるため、なかなか捨てゲームを作りにくいと、他球団との置かれている状況の違いを説明。

 さらには、「1か月、1か月半ぐらい我慢して(使う)っていうのができない。我慢して使えば使うほど(周囲から)叩かれる」「かといって、ある程度期間を我慢せずに結果が出てないからって違う選手に入れ替えると『監督が我慢できない』と言われるわけです」と監督が何をやっても批判にさらされてしまうため、采配の難易度が非常に高い現状を口にする。

 また、「今はそこまでじゃないけど、僕らの時はジャイアンツ戦にエースクラスを当てていく。他のチームよりも打つのが難しい」とも指摘。野手としては我慢して使ってもらえないだけでなく、そもそも好投手と対戦する機会が多いため、結果を出し続けることがとにかく大変。様々な要因から、巨人で若手野手が台頭することの難しさを解説した。

 ただ、若手野手の躍動があまり見られないシーズンが続いたが、今年は20歳の秋広優人が打率.349、得点圏打率.692と結果を残している。今後はマークされ、好投手と対戦するケースも増えるはずだが、安定した結果を残せるのか見物だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

若手が育たないのは仕方ない?球界OBが語る「巨人の育成」の難しさ