本日19日に30歳の誕生日を迎える、俳優の神木隆之介。現在は連続テレビ小説らんまん』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)で主演を務めるなど、広い世代からの人気を得ている。この若さでありながら、既に芸歴は28年の大ベテランだ。そんな神木の芸能人生には、実は驚きのエピソードが。子役から現在まで常にトップ俳優として活躍し続ける神木について、掘り下げていこう。

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■芸歴28年、ついたあだ名は“興行収入ハンター”

 2歳でデビューし、これまで幅広いジャンルの映像作品に出演してきた神木。俳優としてだけでなく、ジブリ作品など大ヒットアニメ映画の声優、というイメージを持つ人もいるだろう。神木の多くの出演映画について、興行収入の面で見てみると驚くべき“戦績”が浮かび上がる。

 5月16日時点の邦画歴代興行収入ランキングは、下記の通りだ。

1位『劇場版「鬼滅の刃無限列車編
2位『千と千尋の神隠し
3位『君の名は。
4位『もののけ姫
5位『ONE PIECE FILM RED
6位『ハウルの動く城
7位『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』
8位『崖の上のポニョ
9位『すずめの戸締まり
10位『天気の子

 なんと神木は、この10作品のうち5作品に出演している2位の『千と千尋の神隠し』では、当時8歳の神木はわがままな赤ん坊の“坊”に無邪気な声を吹き込んだ。これが神木にとっての声優デビューとなる。3位の『君の名は。』では主人公・立花瀧の声優を務め、2016年の声優アワードで主演男優賞を受賞(ちなみに10位の『天気の子』にも瀧が出ている)。6位の『ハウルの動く城』では魔法使い見習いのマルクル役を11歳らしい元気な声で演じた。7位の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』には俳優として出演。スリ常習犯の家族の長男を演じている。

 最後に、9位の『すずめの戸締まり』。主人公の友人・芹澤朋也役の声優を務めた。実は、神木はこの役を一度断ったことを過去のインタビューで明かしている。「(観客に)観ていただいたときに、『瀧の声が残ってるよね』『神木の声だよね』とすぐに思われると、芹澤として見られなくなるから、有り難かったけど、監督が大事と言うキャラクターでもあるから、僕じゃない方がいいと思ってお返ししました」(※1)と、同じ新海誠監督作品である『君の名は。』の瀧役を演じたことがネックの1つになったと語った。その後、新海監督の説得のかいあって芹澤役に臨んだ神木。結果、エンドロールで芹澤役が神木だったと気づく観客も多かったそうで、これを神木は「めちゃくちゃ嬉しかった」と振り返っていた。

■芸能界入りのきっかけは“生後間もなく生死をさまよった過去”


 神木の芸能界デビューは、2歳で出演したおもちゃのCM。きっかけは、母が「生きている証しを残したい」とタレント事務所に応募したこと(※2)だという。これには、神木の出生時の状況が大きく関わっている。

 実は、生後間もない頃4ヵ月にわたり危篤状態に陥っていたことをインタビューで語っている神木。「何の病気だったかは結局わからないんですけど、体重がどんどん減っていったそうで」と振り返り、母が当時医師から「助かる確率はかなり低い」と告げられていたことも明かした。

 病を乗り越え、芸能の道に本格的に進んでいった神木。小学校の行事にはあまり参加できなかったというが、多くの小学生がすることはないだろう“経験”も。それは“初めてのキスシーン”だ。以前にゲスト出演したトーク番組『おしゃれイズム』(日本テレビ系)では、プライベートでの経験よりも前に仕事でのキスを果たしたことを明かしている。神木が初めてのキスシーンを経験したのは、2005年放送のドラマ『あいくるしい』(TBS系)。まだ小学6年生だった当時について神木は「僕はキスをされる側だった」と振り返り、スタジオを盛り上げた。

■30代の神木隆之介は何を見せてくれるのか

 28年の芸能生活で、俳優、声優として輝かしい結果を残してきた神木。2019年には松尾スズキ作・演出による舞台『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』で舞台作品デビューも。過去に阿部サダヲ小池徹平が演じてきた“ハリコナ(少年)”を笑顔いっぱいに演じ、堂々とした歌唱も披露。元気な明るいキャラクターの中にどこか悲哀も感じさせるような奥深い“新・ハリコナ”を完成させていた。

 子役時代からのファンも多い神木だが、これからはより大人っぽい一面もスクリーンやテレビから伺うことができると思うと楽しみだ(とはいえ、昨年公開の映画『ホリック xxxHOLiC』では29歳直前にして高校生役も違和感なく演じていたが)。今年は6月に主演映画『大名倒産』の公開が控える神木。30代ではどんな演技で視聴者を楽しませてくれるのか、さらに成長していくであろうこれからの神木隆之介からも目が離せない。(文:小島萌寧)

引用:「神木隆之介」ツイッター(@kamiki_official)
※1 神木隆之介すずめの戸締まり』芹澤役を一度は断った理由 新海監督の言葉で決断 シネマトゥデイ

※2 「2回目の人生のようなもの」――病弱だった神木隆之介が天職に導かれて Yahoo!ニュース

神木隆之介  クランクイン! 写真:松林満美