精彩を欠いた投球がやや目立ち始めている大谷。その原因は何なのか。データから興味深い問題点は浮かび上がった(C)Getty Images

 投手としての大谷翔平エンゼルス)は、“スランプ”なのか――。直近数試合のパフォーマンスが話題となった。

 開幕から好投を続けてきた「投手・大谷」。しかし、ここ数試合は痛打される場面が悪目立ち。開幕からの5試合は被弾ゼロだったにもかかわらず、直近4試合は25イニングで8被弾を含む17失点と精彩を欠いているのだ。

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 そんな大谷の現状について「今はスランプに陥っている」と断じたのは、米野球データサイト『Fan Graphs』だ。メジャーリーガーを中心に球界のありとあらゆるスタッツなどを網羅する老舗サイトは、開幕5試合以降の数字として奪三振率が36.2%から31.7%に、被バレル率が0.0%から10.0%に、被ハードヒット率が28.6%から36.7%に低下していると指摘。そのうえで「依然としてスモールサンプルではあるが、明らかに開幕時とは違いが出てきている」と論じている。

 さらに同サイトは、大谷のピッチングに悪化している要因のひとつとして、「スイーパーの質」も指摘している。スイーパーとは今季の開幕時から大谷が要所で多投し、並み居る強打者たちから空振りを取ってきた大きく横滑りする変化球だ。

 しかし、『Fan Graphs』は直近4試合での8被弾のうち5本がスイーパーを打たれていると強調。続けて、昨季の被弾数は6本、被打率.165、空振り率38.1%とデータを列挙し、「オオタニのスイーパーが素晴らしい球種なのは間違いない。球界最高の水準にあると言っていい」と断言しながらも、打ち込まれている理由を分析してみせた。

「オオタニがスイーパーに頼りすぎているということはないが、いくつかのミスを犯してしまっており、そこから思うように脱せられずにいるのは明らか。大事な局面でうまく投げられていないのである。

 スイーパーを軸にした彼のピッチングは信じられないほどの可能性を秘めているが、今年に限ってはスイーパーが平均以下だ。異常なまでに高い被弾率はその理由だ。彼はここから改善するだろうが、現時点ではスランプに陥っていると言わざるを得ない」

「平均以下」とまでバッサリと言われてしまった大谷。はたして、球界屈指のポテンシャルを秘める剛腕は苦境を脱し、再び支配的な投球を示せるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

“投手・大谷”はスランプ!? データで浮かび上がった「伝家の宝刀」スイーパーの問題点「今季に限っては平均以下だ」