鉄道駅でホームドアの整備が進み、その過程でちょっと奇妙な光景も生まれています。もちろんホームドアは線路に面して設置されますが、一部、そうではない場所に置かれることもある模様です。

ホームドアが余ったのか? 不思議な場所に設置されているホームドアのようなもの

首都圏の鉄道駅で整備が進むホームドア。2023年3月からは、その費用を補填するため運賃を引き上げる「鉄道駅バリアフリー料金制度」も始まり、整備がますます加速しそうです。

そうしたなかで、ちょっと奇妙な光景も生まれています。

2019年にホームドアが整備された東京メトロ東西線神楽坂駅。そのホームの端の壁際に、“ホームドアらしきもの”が立っています。もちろんホームドアは線路に面して端から端まで設置されているのですが、それに並行する形で、ホームドアと思しきものの一部が壁際に置かれているのです。

神楽坂は2019年以前にホームドアが試験的に設置されたこともありません。どこかで使って余ったものか……と思って東京メトロに聞いてみると、次のような回答が。

ホームドアのシステムの一部で、稼働中のものです。昔使っていたものであったり、何かの名残であったりするわけではありません」

このホームドアの一部は、「お客様の動線に邪魔にならない箇所」を検討した結果、ホーム端の壁側に置かれたのだそう。

「古い駅や狭い駅では、どうしてもホームドアの一部が入りきらないことがあります」とのことで、同様に“ホームドア本体”から一部を分離して設置しているケースは、東京メトロの他の駅にもあると話します。

ある鉄道設備メーカーOBに聞いたところ、ホームドアの制御盤部分が分離されて設置されるケースがあるとのこと。システム的にはつながっているので多少離して置くこともできるそうですが、その置き場は現場ごとに様々な工夫が見られるといいます。たとえばJR有楽町駅では、コンコースからホームに通じる階段の裏側、自動販売機と並んでホームドアの一部が設置されています。

神楽坂駅のホーム端。壁側にもホームドアらしきものが(乗りものニュース編集部撮影)。