湊よりこのレディースコミック「セフレの品格(プライド)」を、行平あい佳と青柳翔をダブル主演に迎えて二部作で映画化した『セフレの品格 初恋』が7月21日より、『セフレの品格 決意』が8月4日より公開されることが決定。予告編、ポスタービジュアル、場面写真、追加キャストが解禁されたほか、主題歌が前野健太による書き下ろし楽曲「ああ…」に決まったことも発表された。

【写真】大人の男女の性と恋を描く『セフレの品格』場面写真

 原作は、大人の男女の性と恋を真摯(しんし)に描き、シリーズ累計430万部(紙+電子)を突破した湊よりこによる大ヒットレディースコミックシリーズ『セフレの品格(プライド)』(双葉社 JOUR COMICS)。登場人物たちのリアルかつ複雑な感情のもつれや、性の欲求を女性作家ならではの視点で大胆に描き、その起伏に富んだストーリーが大人の女性を中心に多くの支持を集めた。

 映画版では、同窓会で再会し一晩を共にした男女の心情・関係性が移り変わっていく様を、「初恋」編と「決意」編の二部作に渡って描く。監督は、『女子高生に殺されたい』『夜、鳥たちが啼く』の城定秀夫。

 36歳のバツ2で、派遣社員として働きながら娘を育てているシングルマザー・森村抄子(行平あい佳)は、高校の同窓会で同級生たちにバツ2をからかわれ息苦しさを感じていた。そこから連れ出してくれたのは、久々に再会をした初恋の相手で産婦人科医の北田一樹(青柳翔)。

 抄子は一樹に誘われるまま体を重ね、今まで感じた事のない快感を知ってしまう。しかし、一樹からは「割り切って身体だけの関係を楽しまないか?」とセフレの提案をされ、抄子はあり得ないと思いながらも、一樹との一晩が忘れられず深みにハマっていく。一方、実は一樹も、人には言えない秘密を抱えていて…。

 予告編は、抄子が同窓会で再会した一樹に肩を抱かれながら「ホテルへ行こう」と誘われるシーンから始まり、人には言えない過去を抱えた大人の男女がもつれ合う様子が描かれている。

 ポスタービジュアルは、抄子と一樹の視線が絡みあう、愛と性の駆け引きの一瞬が切り取られたもの。「デートも記念日も無し。嫉妬もしない」という“セフレのルール”に従った抄子は、一樹とこの先どう展開していくのか…。

 このたび、追加キャストも解禁。抄子と一樹の同級生で、一樹とセフレの関係にある新堂華江役に片山萌美。抄子に交際を迫る上司・栗山役に新納慎也。そのほか『セフレの品格 初恋』に、豊富なキャリアを誇る川瀬陽太と田中美奈子が出演し、物語を思わぬ展開へ加速させる役どころを演じる。『セフレの品格 決意』には、一樹に救われる家出少女・山田咲役で高石あかり、抄子に恋心を抱くボクサー・市原猛役で石橋侑大が出演する。

 本作について、新堂華江役の片山は「『新しい幸せの定義』を考えさせてくれる作品」、栗山役の新納は「退廃的な人間の欲と憂いと羞恥心が入り混じった哀しい“eros”の世界で、強く生きる女性の“意思”と“愛”の意味を痛烈に感じさせる」とコメント。

 山田咲役の高石は「咲を演じるには今までの感覚だけでは役が浅くなってしまうと感じ、外部からの情報や映像、音楽から役を知っていきました。そこで感じた吐き気や震え、心と身体の変化を必死に役に落とし込み、それを現場や城定監督が全て受け入れてくださったからこそ、自由に演じられたと思っています」。市原猛役の石橋は「猛の抱える葛藤が自分自身の苦しみであり、それをさらけ出すことに躊躇(ためら)いも恥じらいもありました。それでも不器用に、泥臭く、馬鹿正直に生きていく市原猛の魂に、この身の全てを捧げカメラの前に立ちました」と、それぞれ役柄への想いを語っている。

 主題歌は、シンガーソングライター・前野健太が書き下ろした楽曲「ああ…」に決定。同曲は、前野が本作のプロデューサーからオファーを受け書き下ろした新曲。前野が劇映画の主題歌を書き下ろすのは今回が初となる。

 また、前編『セフレの品格 初恋』のムビチケ前売券(オンライン)が、6月2日よりMOVIE WALKERムビチケ購入サイトにて販売開始。オンライン購入特典として、原作者の湊よりこが描き下ろした【スマホ壁紙】が付く。

 『セフレの品格 初恋』は7月21日、『セフレの品格 決意』は8月4日より公開。

 片山萌美、新納慎也、髙石あかり、石橋侑大コメント全文は以下の通り。

片山萌美、新納慎也、髙石あかり、石橋侑大コメント全文>

片山萌美(新堂華江役)

 SEXって大切ですか? この『セフレの品格』という作品は、「新しい幸せの定義」を考えさせてくれる作品な気がします。未来を見据えた、結婚、妊娠、愛する人との時間など、世の中の誰もが想像する一般的な正当な幸せ。しかしそのレールにのらなくても幸せを自分の意思で決めることができる昨今。

 華江を演じる中で、この作品では「その時、その瞬間の幸せを大切にしてる」と、深く感じました。刹那的な愛でもそれだけで生きていける糧になることは多いはず。『初恋』編ではその異様さと、『決意』編では若さの美しさをぜひ堪能していただきたいです。

■新納慎也(栗山役)

 “eros”という言葉には何故か猛烈に哀しみを感じます。哀しみがあると分かっていても「好きなんだから仕方ない」。本作の台本をいただいた時にそんなことを感じました。そして、僕が演じた栗山という男もまた「好きなんだから仕方ない」という生き方。彼は彼なりに純粋に愛を伝えたかった一人の人間であるということを大切に演じました。

 城定秀夫監督作品に呼んでいただいたことは本当に光栄で、噂通りの的確かつスピーディに進んでいく現場で、僕が持ち込んだ栗山像に真摯(しんし)に向き合ってくださったことに感激しました。そんな城定監督が創り出す、退廃的な人間の欲と憂いと羞恥心が入り混じった哀しい“eros”の世界で、強く生きる女性の“意思”と“愛”の意味を痛烈に感じさせる本作、じっくり楽しんでください。抄子と一樹はもちろんですが、栗山の想いも感じていただけたら嬉しいです。

■高石あかり(山田咲役)

 脚本を読み「求める」という感情は、突然怖いモノへと豹変し、時に愛おしく美しいものにもなり得るということを知りました。

 そして、咲を演じるには今までの感覚だけでは役が浅くなってしまうと感じ、外部からの情報や映像、音楽から役を知っていきました。そこで感じた吐き気や震え、心と身体の変化を必死に役に落とし込み、それを現場や城定監督が全て受け入れてくださったからこそ、自由に演じられたと思っています。この作品の一員になれたことに心から感謝します。

■石橋侑大(市原猛役)

 市原猛になるために、役者を続けていたんだ。そんな不思議な気持ちで台本を読ませていただきました。猛の抱える葛藤が自分自身の苦しみであり、それをさらけ出すことに躊躇いも恥じらいもありました。それでも不器用に、泥臭く、馬鹿正直に生きていく市原猛の魂に、この身の全てを捧げカメラの前に立ちました。こんな男をスクリーンまで導いてくれた城定組全ての方々に感謝しています。是非劇場で、熱くエロスな闘いをご覧下さい!

映画『セフレの品格』ポスタービジュアル (C)2023日活