ヘンリー王子が、英国での警察警護をめぐる法的争いに敗れた。王子は2020年に高位王族からの引退を表明した後、英国での税金による警察警護を失った。その後、王子は警備費を自己負担すると申し出たものの、内務省から拒否されたため異議申し立てをする許可を求めていた。しかしロンドンの高等法院は、王子が警備費を自費で支払うか否かについて、司法審査を求めることはできないとの決断を下した。

ヘンリー王子メーガン妃は、2020年1月に高位王族からの引退を表明した。これに伴い、2月には王族や公人の保護を扱う王室・VIP執行委員会「Royal and VIP Executive Committee(以下、RAVEC)」が王子に対して税金による警察警護を与えないとの決定を下した。

夫妻は同年3月に王室を離脱し、息子アーチー君(当時)を連れて米カリフォルニア州に移住した。その後、王子は英国滞在中の警察警備費を自己負担すると申し出たが、内務省に拒否されていた。

2022年1月には王子の弁護士が内務省に書簡を送り、英国から継続的に警備が提供されない場合には司法審査を求めることを示唆。同年2月にはロンドンの高等法院において、ヘンリー王子が内務省に対して自費による警察警備を求めるための予備審問が行われた

今月初めに行われた公聴会では、ヘンリー王子の弁護団は裁判官に対し、内務省およびRAVECが行った決定について王子が提訴できるように要請した。

これに対し内務省は「富裕層が、武装警官を含む保護警備を料金を支払って雇うことは適切ではない」と主張。ロンドン警視庁は「私人による料金の支払いを理由に、警察官が危険な状態に置かれるのは間違っている」と述べた。

そしてロンドンの高等法院は現地時間23日、警察保護による費用を私費で負担できるか否かをめぐり、ヘンリー王子が司法審査を求めることができないとの判決を下した。

チャンバーレーン判事の判決文によると「私の判断におけるこの点に関する簡潔な答えは、RAVECは富裕層があらゆる警察サービスの費用を支払うことを認めることが公共の利益に反するとは言っていない、ということです」と記され、こう続けている。

「これらのサービスは、たとえばスポーツやエンターテイメントのイベントで提供される警察サービスとは種類が異なり、限られた数の高度な訓練を受けた専従の警察官が、自らの危険を顧みず委託者を守るために派遣されるものだからです。」

RAVECの理由は、他のサービスが有料であってもこれらの(警察)サービスが有料であってはならない政策的な理由がある、というものでした。その理由には、不合理と言えるようなものは見当たりません。」

ヘンリー王子とメーガン妃は今月16日に米ニューヨークでのイベント出席後、パパラッチから執拗な追跡を受けた。夫妻の広報担当者は、声明で「パパラッチの一団に2時間以上追跡され、大惨事に近いカーチェイスに巻き込まれた」と伝えていた

しかし当時現場にいた人々からは、ヘンリー王子側の主張とは異なる証言が出ていた。

パパラッチによる追跡時、夫妻とメーガン妃の母ドリアさんを乗せたタクシー運転手は、大惨事という表現について「すべて大袈裟なもの」だと語った。さらに匿名のパパラッチは英TV番組の取材に応じ、「危険な運転をしていたのは、ヘンリー王子達を乗せた車だった」と述べていた
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト