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18日、理解増進法案の修正案を提出した自民党議員ら(写真:時事通信

5月18日自民党公明党が国会に修正案を提出し、「LGBT理解増進法案」成立に向けた議論が加速している。そんななか、LGBTを巡るある“持論”が波紋を呼んでいる。

それは5月8日午後10時30分ごろにTwitterで呟かれた以下の投稿だ。

《今のうちに警鐘を鳴らしておく。オウム真理教の時も、地下鉄サリン事件の前からそのヤバさに気付いて社内外で騒いだが、誰も本気にはしてくれなかったからね》

この呟きの主は報道カメラマンの原田浩司氏。この呟きに原田氏は下記のように発言を続けていく。

《今回のLGBTに関する報道を見ていると、1980~90年代マスコミオウム真理教サブカルチャーとして持て囃していたことを思い出す。マスコミには、新しいものを有り難がる習性みたいなものがある》(この投稿は現在は削除されている)

《とにかくね、何か変だと感じた直感を大事にして欲しい。 当時、オレもオウム真理教信者、彼らが乗っ取ろうとした熊本県・波野村の村人たちの証言を耳にしながら、写真にも記事にも反映出来なかった。 その結果が、地下鉄サリン事件だ。これは、背負っていくしかない》

《今、LGBT運動に加担している同業者たちに、その覚悟はあるのかと問いたい》

《今の勢いのまま、LGBT運動が進むことに対する危惧です。個人的には、オウムの件と近いものを感じざるを得ません》

そう締めくくり、最後の投稿ではロイターの「トランスジェンダーの未成年 米で治療件数が急増」という記事を紹介している。この記事は、米国の未成年者が性別適合のためのホルモン治療や手術などの医療やケアを受ける件数が増加しているという客観的な数字を示す内容だ。

原田氏は、国内では雲仙・普賢岳災害、オウム真理教事件、2度の大震災などを、国外ではパレスチナ紛争、ルワンダ内戦、インドネシア動乱、イラク戦争、エジプト革命などを取材。日本新聞協会賞を2度受賞するなど、数々の功績を残している。共同通信社では編集委員も務めており、先日行われたG7広島サミットにも取材に参加するなど最前線で活躍する人物だ。

そんな実績のある原田氏だが、多くの被害者を出し最後は解散命令まで出されたカルト宗教団体であるオウム真理教LGBTの社会運動を同列視しているとも受け取れる発言をしたことで、ネット上では批判が続出。発言は差別的であり、LGBTへの憎悪を助長させるのではないかと危惧する声が。

LGBTカルトやテロ集団ではない。性的指向は宗教じゃない》
LGBTは宗教や思想ではないですし、自らの意志でLGBT当事者になる人はいません。テロ組織のオウム真理教LGBTを結びつける考え方は差別的ですし、こういった発言があるから「LGBTへの差別を無くす法案が必要」って声も大きくならざるを得ないんですよ》
《こういう人がいるから、理解増進は必要だろう。こういう人たちがLGBTQの方々に危害を加えるような憎悪をインフレーションさせないように》

個人のアカウントでの投稿とはいえ、編集委員という責任ある立場のカメラマンがこのような発言をしていることについて、共同通信社はどう考えるのか。見解を求めたところ、下記のように回答があった。

「個人アカウントによる私的な論評ではありますが、誤解を招くことがないように、慎重な表現での発信を心がけるよう本人に伝えました」

また、原田氏は16日に当該投稿への批判に対して、ツイッターで“真意”をこう説明している。

メディアの報道姿勢を揶揄したつもりでした。言葉足らずで、不愉快にさせて申し訳ありませんでした。ちなみに同性婚は賛成する方です。

どうしても分からないのは、国内外でLGBT運動が進むにつれ女性や子どもの権利が侵されていくのに、その問題をスルーしたまま立法化を急かしていることです》