27日、明治安田生命J1リーグ第15節のサンフレッチェ広島vs湘南ベルマーレエディオンスタジアム広島で行われ、ホームの広島が1-0で勝利を収めた。

ヴィッセル神戸名古屋グランパスとの上位対決を黒星で終えた広島。24日に行われたルヴァンカップ横浜FC戦も落としたため、公式戦3連敗となっている。満田や塩谷が離脱中と苦しい状況にあるが、日本代表に選出された大迫や川村の活躍に期待がかかった。

対する湘南はリーグ戦7戦未勝利、4連敗で17位とさらに苦しんでいる。24日に行われたルヴァンカップ清水エスパルス戦も2点差を追いつきながら終盤に清水に勝ち越し点を許し、2-3で敗れた。今回の広島戦は若月のスタメン起用などでテコ入れを図っている。

序盤は広島が押し込む展開となった。試合開始直後から茶島や川村が積極的にシュートを狙い、湘南ゴールに襲いかかる。

そんな流れの中、湘南は13分にさらに厳しい状況に追い込まれる。舘が自陣内中央付近でベン・カリファにアフター気味のタックルを見舞い、主審はレッドカードを提示。湘南は残りの75分以上を10人で戦うことになってしまった。

数的不利の中、奮起したのが湘南の守護神ソン・ボムグンだった。16分、FKのキッカーを務めた広島の茶島が相手陣内左サイドからクロスを入れると、ゴール前で佐々木がバックヘッド。これはソン・ボムグンが横っ飛びで弾き出した。

さらに19分、広島が左サイドへ大きく展開すると、ボールを受けた柏が中央へカットイン。ファーへのクロスをベン・カリファが胸トラップし、豪快なシュートを放ったが、これは右ポストに直撃してゴールとはならなかった。

湘南も21分に杉岡のFKから広島ゴールに迫るが、これはDFに阻まれる。湘南はこれでCKを獲得したが、クロスを跳ね返した広島が逆にカウンターを発動。エゼキエウが一人で相手陣内まで運び、右サイドを駆け上がった茶島へパス。マイナスの折返しをエゼキエウがダイレクトでシュートしたが、これはバーの上へと超えた。

湘南もボールを持てないわけではないが、ゴールの匂いを感じさせるのは数的優位の広島。39分には再び左の柏からチャンスを作る。柏のクロスにファーで待っていたベン・カリファがシュートまで持ち込むが、これはGKソン・ボムグンがブロック。跳ね返ったボールを川村が頭で押し込もうとしたが、シュートはクロスバーに弾かれて先制点には至らなかった。

43分、広島が再三のチャンスを作る。相手陣内中央でボールを持った川村が左サイドの柏へ展開すると、柏がカットインからクロス。ファーにいた茶島がヘディングで合わせたが、ここも好反応を見せたGKソン・ボムグンが阻止。シュート本数0で前半を終えた湘南だが、失点も0に抑えてハーフタイムを迎えた。

攻め込みながらゴールを奪えなかった広島は、先制点を狙って後半頭から積極的に湘南ゴールを狙う。森島からのパスをボックス左角付近で受けたエゼキエウが切り返しで相手DFをかわし、シュート。これは枠の右へと外れていった。

サイドから湘南DF陣を崩しにかかる広島。57分にはベン・カリファが高い位置でボールを奪い、ボックス内右角付近から強烈なシュート。ここもGKソン・ボムグンが立ちはだかり、広島にゴールを許さなかった。

60分、両チームともに交代カードを切る。なかなかゴールを奪えない広島はベン・カリファと柏に代え、ドウグラス・ヴィエイラと東を投入。一矢報いたい湘南は茨田と若月を下げ、奥野と鈴木をピッチに送り込んだ。

すると62分、湘南が久々に広島ゴールに襲いかかる。町野がバイタルエリアでボールを受けると、鋭いターンからすかさずミドルシュート。枠は捉えなかったが、ゴールの可能性は感じさせた。

その後も広島が波状攻撃を仕掛け、湘南が耐えるという構図が続く。均衡が破れたのは77分。松本がボックス内でシュートを放つと、対峙した杉岡がこれを手で止めてしまい、ハンドの判定に。途中出場のドウグラス・ヴィエイラがこのPKを落ち着いてゴール左に決め、広島がようやく先制点を奪取した。

追いかける展開となった湘南は永木、阿部を起用して同点ゴールを狙うが、広島ペースは変わらない。89分には湘南がチャンスを作り、途中出場の阿部が惜しいシュートを放つが、ここはGK大迫がナイスセーブ。試合を振り出しに戻すことはできなかった。

後半アディショナルタイムには広島の中野に決定機が訪れるが、シュートはわずかに左に外れ、追加点を奪うことはできず。試合は1-0のまま終了した。ホームの広島がリーグ戦の連敗を2で止めたのに対し、10人で奮闘しながら力及ばなかった湘南は、リーグ戦5連敗となってしまった。

サンフレッチェ広島 1-0 湘南ベルマーレ
【広島】
ドウグラス・ヴィエイラ (後34)