山田裕貴主演の金曜ドラマ「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の 第6話が5月26日に放送された。恐れていた人々の敵対と衝突。そのなかで直哉(山田)の秘めている思いが浮き彫りになった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】紗枝(上白石萌歌)を必死に探す直哉(山田裕貴)と優斗(赤楚衛二)

■5号車と6号車で争いが勃発

同ドラマは、同じ電車に偶然乗り合わせた見ず知らずの乗客たちが未来の荒廃した世界にワープ。元の世界に戻ろうとする姿を描く、完全オリジナルの予測不能なヒューマンエンターテインメントだ。

主人公のカリスマ美容師・萱島直哉を山田裕貴、正義感あふれる消防士・白浜優斗を赤楚衛二、心根の優しい高校の体育教師・畑野紗枝を上白石萌歌が演じる。

また、大学院生・加藤祥大を井之脇海、ネイリスト・渡部玲奈を古川琴音、関西出身の専門学生・米澤大地を藤原丈一郎(なにわ男子)、医者志望の受験生・江口和真を日向亘、和真の恋人であり同じ高校に通う佐藤小春を片岡凜、冴えないサラリーマン・田中弥一を杉本哲太、一人娘を育てているキャリアウーマンの寺崎佳代子を松雪泰子と、若手からベテランまで個性豊かな俳優陣が顔をそろえる。

第6話は、恐れていた事態が起きた。玲奈といたときに6号車の乗客と遭遇し、逃げ遅れてしまった紗枝。なんとか逃げたものの、6号車のリーダー的存在の山本(萩原聖人)に捕らえられてしまう。それをきっかけに、直哉ら5号車と6号車の人々の間で争いに発展してしまった。

■米澤の切なる叫び

なぜ争いが起きるのか。現実世界の課題を突き付けられるようだった。

本話では、米澤と紗枝の勇気と頑張りがその状況を変えた。米澤は「なあ!ここ未来やろが。未来がこんなんでええん?こんな何もないところで、人がこんなんでええん?もう戦うんやめよう!滅びて正解やったって言われんように…。せめて人がまっとうな姿見せようや。未来でさ、もう戦わんとこ…」と涙ながらに叫んだ。

そして、紗枝は自力で逃げ出し、さらに山本のうそを暴いた。

6号車の存在が明らかになってからどうなるか注目されていた中でのこの展開。そして、佳代子が見つけた光る石や、ラストでは現代で事件を探る物理学教授の登場もあり、今後のポイントになりそうな様相を見せた。タイトルがTwitterのトレンド1位となり、米澤の愛称である「米ちゃん」、物理学教授を演じると判明した間宮祥太朗の「間宮くん」がトレンドTOP10圏内に迫る反響を呼んだ。

■直哉が紗枝の靴紐を結ぶシーンが切な過ぎる

そんななか、もう一つ、注目の出来事があった。

座っている直哉に、「怒ってますよね?どれだけご迷惑をかけたか…本当に申し訳ありません」と頭を下げた紗枝。直哉は立ち上がって何かを言おうとしたが、そのまましゃがみ、ほどけていた紗枝の靴紐を結び直してあげた。

そしてその足をギュッと包み込むように手をしばらくあて、紗枝の顔を見上げて「よく頑張った」とつぶやいて、立ち上がって肩をポンとたたいてから去った。

なんという切ない瞬間だろう。第5話で直哉に生まれた恋心。佳代子が言っていたように、生きているなかに自然に生まれる感情だ。しかし、期待して裏切られることがしんどい直哉は、必死に抑え込もうとしていた。そんな思いと戦いながら、気持ちがあふれ出たシーンだった。未来に飛ばされてきたばかりの第1話でも直哉が同じように紗枝の靴紐を結んであげたことがあったが、その優しさとは明らかに違う。

さらに切なかったのは、優斗に「何であいつ(紗枝)が頑張れてるか、お前だよ。気付いてやれよ」と明かすシーン。直哉が自分の思いを抑え込むのは、紗枝が現代で優斗に恋していたことを知ってもいるからだ。

現代で、虹を一緒に見上げたことがある紗枝と優斗。しかし、紗枝が見上げていた虹を直哉もスマホで撮影していたことが第2話で描かれていた。“虹”がつなぐ三角関係はどこに向かうのか、これからが見逃がせない。

視聴者からは靴紐のシーンに対して、「靴紐を結んで足に手のひらを置くってなんかとてつもない好きの表れでは?」「靴紐結んでからの足を握りしめるシーン今世紀最大のキュンだった…」「泣けた」「やさしさが沁みた」といった声が寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

山田裕貴“直哉”の切ない行動が胸を打つ…/ (C)TBS