なによりも勝利を求める大谷を引き留めるには「7月までの成績が『60勝47敗』程度」は求められるという(C)Getty Images

 二刀流戦士が快投を披露した。

 現地5月27日に本拠地で行なわれたマーリンズ戦で、大谷翔平エンゼルス)は「3番・投手兼指名打者」で先発登板。6回(109球)を投げて、2失点、被安打6、10奪三振、3四球の粘投を見せた。

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 惜しくも勝利投手にはなれなかった。しかし、この日の「投手・大谷」はエースとしてゲームメイクの役割を全うした。初回に元DeNAの助っ人ユリ・グリエルにタイムリーヒットを許したものの、その後は尻上がりに調子を上げ、マーリンズ打線を翻弄。1対1で迎えた5回にルイス・アラエスタイムリーヒットを打たれて勝ち越しを許したが、今季に多用してきたスイーパーを軸にした投球で4試合ぶりの2桁奪三振を記録した。

 今季通算の奪三振数を90に伸ばし、リーグトップに躍り出た大谷。先発投手として貴重なQS(先発投手が6イニング以上を投げ、自責点3以内に抑えること)も記録した右腕は、野手としても輝きを放つ。7回に1死走者なしの局面で四球を選んで出塁すると、すかさず2盗を慣行。見事に今季7つ目の盗塁を成功させたのだ。

 投げて、走ってと躍動した右腕は球史に名も刻んだ。米スポーツ専門局『ESPN』のサラ・ラングス記者によれば、大谷が2桁奪三振をマークした試合で盗塁を達成したのは通算2度目なのだが、これはノーラン・ライアンマックス・シャーザーメッツ)に続く史上2位タイの記録だという。ちなみに1位は60年代にセントルイス・カージナルスで活躍したボブ・ギブソンの3度である。

 何とかチームに勝利をもたらそうと奔走した。そんな大谷の疲れ知らずの活躍には、アメリカでも注目が集まった。メジャーリーグを中心にデータ専門会社『Codify』は「ピッチャーが投げた試合で盗塁だって?」としたうえで「オオタニはそれをキャリア3回もやっている。これは2007年以降ではザック・グレインキーだけが残している記録だ」と伝えた。

 投げるたびに球史に残るレコードを呼び覚ます大谷。その存在はやはり稀有だと言わざるを得ない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

2桁奪三振に盗塁も成功! 大谷翔平のライアン級の“歴史的プレー”に米興奮「ピッチャーが投げた試合で盗塁だって?」