アメリカの修道院で4年前に埋葬した修道女の遺体を掘り起こしたところ、腐敗もなくほぼ埋葬時と変わらぬ姿だった。この小さな町の修道院には、「奇跡」をひと目見ようとする人で溢れかえっているそうだ。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

ミズーリ州ガワーの静かな町にあるベネディクトメアリー修道院で、埋葬から4年が経って掘り起こされた修道女ウィルヘルミナ・ランカスター女史(Wilhelmina Lancaster)の遺体が注目を集めている。

カトリック系ニュースメディア『Catholic News Agency』によると、ランカスター女史は1995年に70歳で「使徒の女王、ベネディクトメアリー修道院(Benedictine Sisters of Mary, Queen of the Apostles)」を設立し、2019年5月に95歳で亡くなったという。

それから4年が経ち、同修道院ではランカスター女史の遺体を礼拝堂の祭壇の下に安置するため、今月18日に墓から遺体を掘り起こした。当時、その場に立ち会った修道女はこのように語っている。

シスターウィルヘルミナは防腐処理も施されず、簡素な木の棺に納められて埋葬されたため、墓地の関係者からは『骨だけが残っている状態でしょう』と言われました。」

ところが驚くことに、棺の中の遺体は皮膚や眉毛などが残っており、埋葬された時とほぼ同じ状態だったという。修道院長のセシリア・スネル女史(Cecilia Snell)は、棺の隙間から中を覗いた際に「靴下を履いた完全に無傷の状態の足が見え、埋葬された時と変わらないように見えた」と話している。

また匿名を条件に米ニュースメディア『Newsweek』の取材に応じた修道女は、他の修道女と交代で靴下を履いた遺体の足に触れた時に「かなり湿っていたが、足は完全な状態でした」と明かしており、さらにこう続けた。

「埋葬して間もない時、彼女の顔に土がかかったことで右目が陥没していました。そのため顔には蝋を塗っています。しかし彼女のまつ毛や髪、眉、鼻、唇など全てが残っており、口元は微笑みそうな感じでした。」

その後、同修道院では遺体に付着していた黒カビを取り除くため熱湯で丁寧に洗浄したが、肌が黒ずみ始めてしまったため、遺体の顔や手などには蝋が塗られたようだ。

ランカスター女史の遺体が地元で噂になると、人々は「ミズーリの奇跡」と呼び、小さな町にある同修道院には多くの巡礼者が訪れるようになった。

同州カンザスシティから息子夫婦と一緒に来たというメアリー・ルー・エナさん(Mary Lou Enna、86)は、このように語っている。

「はじめは非現実的な感じでした。でも彼女の姿を見つめているうちに涙が溢れてきて、『これは現実であって、とても大切な意味がある』と分かったのです。」

ランカスター女史の遺体は今月29日まで礼拝堂に安置され、その後はガラスケースに納められて祭壇の近くに移される予定とのことだ。

画像は『Shaun Wesley 2023年5月23日付Facebook「I had the tremendous blessing today of venerating the possibly incorrupt body of Sister Wilhelmina」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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