5月4週目、カップルYouTuber・ふたりclipが破局を報告。しおとかつをがそれぞれ動画を投稿し、今の思いや視聴者への感謝とともに、今後について説明している。今回は、ふたりclipの活動から、YouTubeが担うクリエイターたちのキャリア形成を紐解いてみたい。

参考:【写真】しおの一人暮らしの自宅

 ふたりclipは、フォトグラファー・かつをとしおによるカップルYouTuberだ。2019年12月、当時大学在学中のふたりがYouTubeでチャンネルを開設すると、かつをが撮影したしおとの旅や日常を切り取ったホームビデオを投稿し、人気を獲得。約3年半の活動で、チャンネル登録者数は17.2万人を突破している(5月27日時点)。

 5月24日にメインチャンネルに投稿された動画では、しおが「かつをとお別れをして、ふたりclipは終わることになりました」と報告。突然の発表に、「すごい長い時間をかけてふたりで話して、ふたりで選んだ決断なので、尊重してくださると幸いです」と釈明した。

 ファンに向けて「今日までふたりclipを応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました」と頭を下げると、今後についても言及。しおはメインチャンネルを引き継ぎ、今後もYouTubeでの活動を継続していくとし、「もっと色んなことに行きたいし、色んな経験をもっともっとしたいので、それを残していけたら」と話している。

 これまでほとんど動画にその姿を現さなかったかつをは、同日サブチャンネルに動画を投稿。「今日をもって、ふたりclipを終了することになりました」と、ふたりでの活動に終止符を打つことを報告した。

 ここ2か月ほど動画の投稿が止まっていたことで、視聴者からDMで心配の声が寄せられていたそうだが、その点については「お伝えできていない部分も多い」と発言。「ふたりでこの決断をしたので、よかったら尊重していただけたら嬉しいです」と述べると、視聴者には「僕たちが思っていた以上に、本当に貴重な経験だったり、すごく濃い時間を過ごすことができました」と感謝の言葉を口にした。

 かつをは今後、バスケットカメラマンを目指しながら、サブチャンネルを運営。これまでは撮影や編集を担当していたが、「今回を機に、YouTubeもこれから挑戦していきたい」と、意欲を見せている。テーマは映像、写真、日常と明かしており、「ライフスタイルをこれからあげていければなと思います」「今後とも応援してくれると嬉しいです」と結んでいる。

 ふたりclipは、かつをが憧れのカメラを購入したことをきっかけに始まったチャンネル。かつをが撮影した愛おしさと温かみ溢れるドキュメンタリー映画風の映像は、多くの視聴者を魅了してきた。かつをがカメラマンということもあり、ふたりが揃って動画に登場することはほとんどなく、イチャイチャ系コンテンツはない。彼らはカップルYouTuberといえども、そのイメージから連想されるような動画とは一線を画しており、10代~50代という幅広い世代の視聴者から支持を集めた、ユニークな動画クリエイターだった。

(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000109365.html)

 しおは大学在学中にYouTubeでの活動を始めると、メディアプラットフォーム「note」でも執筆活動を開始(5月27日時点では閲覧不可)。一方のかつをはYouTubeでの活動を通じて昨年10月に初写真集を出版したほか、大好きなバスケットの本場・NBAでゴールデンステイト ウォリアーズの公式フォトグラファーを1日限定で務めるなど、写真家として活動の場を広げている。

 今回残念ながらふたりclipの活動は終了を迎えたが、YouTubeで貴重な経験を積み、次のステップへと歩みはじめたしおとかつを。ふたりclipの活動を振り返ると、YouTubeはクリエイターたちのキャリア形成の役割を担っているといえるだろう。

(文=せきぐちゆみ)

動画サムネイルより