2035年以降にマジで実現するかも。

機内食は「機内で選ばない」

ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスが2023年5月、2035年以降に実装が予定されている新型客室仕様「Airspace Cabin Vision 2035+」の概要を発表しました。現在の旅客機の客室仕様とは、どのようなところが異なるのでしょうか。

「Airspace Cabin Vision 2035+」では、モバイルフライトコンパニオンを導入することで、当該便の搭乗から降機まで一貫したデジタル化を図り、旅客ひとりひとりに寄り添ったサービスを提供するといいます。また、長距離便では機内食の事前注文制を、短距離便では軽食を空港で受け取れる制度を採用するなどで、フードロス、および機体重量の最大15%削減を目指します。

客室仕様でもっとも重視されているのは、客室パーツの軽量化です。より軽く、かつ再利用可能な新素材からつくった客室パーツを導入した仕様とすることで、客室の重量を最大40%削減できるとしています。また、客室も多種のデジタル化が図られ、現代の旅客機では考えられないような内装になると見られます。

エアバスによると、航空業界の脱炭素化「ゼロエミッション」において、機体全体のなかの10~20%が客室から起因するものであるとのこと。新客室仕様を採用することで、業界全体のCO2排出削減を図ります。

この新たな客室仕様は、同社で開発進行中の、おもに水素を動力源とする二酸化炭素を排出しない「ゼロエミッション機」をはじめとした次世代航空機で展開される予定です。また同社は、2023年6月6日から8日までドイツハンブルクで行われる「Aircraft Interiors Expo 2023」で、「Airspace Cabin Vision 2035+」の詳細な内容について公開するとしています。

エアバスが発表した「ゼロエミッション旅客機」のブレンデッド・ウィング・ボディデザイン(画像:エアバス)。